1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660290
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 敝敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 弘 東北大学, 農学部, 教務職員 (80089797)
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
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Keywords | 発酵乳 / マクロファ-ジ / インタ-フェロン / 乳酸菌 / アシドフィラス |
Research Abstract |
発酵乳製造に使用される乳酸菌のうち、L.acidophilusは、腸内定着性のあることから、特に整腸作用などの望ましい作用を示すことが知られている。この菌種の菌体の持つ生理活性作用を知る目的で、マクロファ-ジの腫瘍細胞障害活性およびインタ-フェロン誘起能に対する菌体の効果について調べた。 L.acidophilusの菌株としは、菌株保存機関より入手した9株を用いて、MRS培地中で37℃、24時間培養したのち集菌した。マクロファ-ジは、チオグリコレ-トを注入した8週齢のマウス腹腔内より採取したものを使用した。マクロファ-ジは乳酸菌体と共に24時間培養したのち、これに腫瘍細胞(Saーrcoma180)を混合してさらに培養し、腫瘍細胞の ^3Hーチミジン取り込み量を測定して、腫瘍細胞障害活性を求めた。また、マクロファ-ジと乳酸菌体の混合培養後の上澄中のインタ-フェロンの力価を、マウスLー929細胞に対する口内炎ウイルスによるプラ-ク形成率より求めた。 乳酸菌体を取り込むことによって刺激されたマクロファ-ジの細胞障害活性は、2菌においてかなり高い値が得られ、さらに4菌体において有意に高い活性が認められた。一方インタ-フェロンの活性は、細胞障害活性のかなり高かった2菌を含む4菌株で1OI.U.を超える値を示した。これらのインタ-フェロンのタイプを調べる目的で、抗α+βーおよび抗γーインタ-フェロン血清による中和試験を行なったところ、α+βタイプであることが認められた。これらのことから、L.acidophilusの中には腸内で増殖した場合、弱いながらもマクロファ-ジを活性化させる効果を発揮するもののあることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] C.I.Park,H.Sugawara and T.Itoh: "Fractionation and characterization of structural components of lactobacilli cell aralls" Milchwissenschaft. 46. 87-90 (1991)
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[Publications] H.Kitazawa,K.Matumura,T.Itoh and T.Yamaguchi: "Interferon induction in murine peritoneal macrophage by stimulation with L.acidsphilus" Microbiol.Immunal.36. (1992)