1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660295
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 肇躬 九州大学, 農学部, 教授 (50038246)
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Keywords | ストレス感受性豚 / DNA診断 / 悪性高熱症 / ライアノジン・レセプター / PCR |
Research Abstract |
ストレス感受性豚における筋肉のけいれんや高熱の発生は筋肉細胞内のカルシウムイオン貯蔵器官である筋小胞体のカルシウム・リリース・チャンネルであるライアノジン・レセプターの生理機能の異常により誘起される。このような筋肉生理の異常はと殺後におけるおける豚肉内代謝異常をもたらし、その結果としてPSE豚肉を生じる。本研究では、このような筋肉生理の異常をもたらすライアノジン・レセプター遺伝子における変異を検索することを目的として白血球画分から調製したゲノムDNAを素材として、既にそのシークエンスが明らかにされているライアノジン・レセプターcDNA上のfoot領域及びチャンネル部位にまたがるシークエンスを有する合成オリゴヌクレオチドをプライマーとするPCR法に基ずくライアノジン・レセプター遺伝子の特定部位の増幅を行い、各種制限酵素による遺伝子の切断の有無及び同遺伝子cDNA断片をプローブとするサザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、ライアノジン・レセプター遺伝子のfoot領域PCR増幅物において一ケ所変異箇所が存在することが見い出され、併せて、同領域にはイントロンが存在することも明かとなった。また、ハロセンテストによる判定において陰性と判断された豚ゲノムDNAのPCR増幅物の中にも陽性のそれと同様の制限酵素(HinPI等)被分解性を有することが明かとなった。このことから、ストレス感受性異常を検出する方法としてはハロセンテストでの検出法よりもDNAレベルでの検出法が優れていることが示唆された。
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