1992 Fiscal Year Annual Research Report
生体成分由来低分子生理活性物質のマクロファージ活性化に及ぼす影響
Project/Area Number |
03660320
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 迪子 東京大学, 農学部, 助手 (70092202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 憲一郎 東京大学, 農学部, 教授 (50111480)
鈴木 直義 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10003071)
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Keywords | マクロファージ / 生物応答修飾物質 / 相差電顕像 / オビオペプチド / オビオアクチン |
Research Abstract |
マクロファージを活性化する物質としては細菌、寄生虫などに感染した生物の感作Tリンパ球より産生されるリンホカインや感染微生物に由来する低および高分子化合物が種々知られている。本年度は前年度に引き続きトキソプラズマ感染耐過牛血清由来のオビオアクチンならびにその活性ペプチドを合成して得た数種の合成ペプチドのうちオビオペプチド-I(GlyーGluーGluーGluーGluーGlu)のマウスマクロファージに対する影響を検討した。 1.マクロファージ活性化に対するオビオアクチンおよびオビオペプチドIの影響(河野・小野):マウスマクロファージを最終濃度5.0mg/mlでオビオアクチンと、0.5mg/mlでオビオペプチド-Iと48時間培養し、その糖消費量を測定したところ、いづれの場合にも無添加対照に比較して有意な増加が認められた。また同時に観察した活性酸素の産生量もオビオアクチンあるいはオビオペプチド-I添加で増加する傾向が認められ、これら2種の物質を投与するとマクロファージが活性化することが判明した。 2.トキップラズマ殺〓効果に及ぼす影響(鈴木):トキソプラズマ感染マクロファージにオビオアクチンあるいはオビオペプチド-Iを添加して培養するとマクロファージ内のトキソプラズマ虫体数は減少し、これら物質にマクロファージのトキソプラズマ殺〓作用の増強効果のあることが判明した。 3.マクロファージの形態学的変化(小野):マウスマクロファージにオビオアクチンあるいはオビオペプチド-Iを添加して48時間培養し、その形態学的変化を相差電子顕微鏡で観察したところ、これら物質を添加したマクロファージはラッフル形成が著明で形態学的に活性化していることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujii,Y.et al.: "Effect of obiopeptide and obioactin on the toxoplasmaーcidal activity,glucose consumption and ruffle formation in mouse macrophages." J.Vet.Med.Sci.54. 351-353 (1992)
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[Publications] Fujii,Y.et al.: "Restorative effects of a newly synthesized peptide,obiopeptideーI,in cyclophosphamideーor carrageenanーpretreated mice infected with opportunistic bacteria." J.Protozool.Res.2. 74-83 (1992)