1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670116
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
松島 與和 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (70165819)
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Keywords | エンドセリン / ビッグエンドセリン / 変換酵素 |
Research Abstract |
1.各臓器・組織におけるエンドセリン(ETー1)含量の検討 ETー1変換酵素(ECE)の臓器分布を知る手がかりとして、各組織におけるETー1の含量を測定した。肺に最も多くのETー1が存在し、次いで腎、大動脈であった。 2.エンドセリン変換酵素の機能的薬理学的研究 上述のように、腎臓にもETー1が存在することから、ECEが腎臓に分布する可能性が考えられた。そこで、痲酔下の犬の左側腹切開露出腎動脈にbigETー1を注入し、ETー1と比較しながら腎機能に対する影響を検討した。ETー1を投与すると(0.4pmol/kg/min)、腎血流量、糸球体濾過量、尿量は有意に減少した。ところがbigETー1を腎動注(ETー1と同量)しても腎機能は全く影響を受けなかった。また、このときの腎静脈血中のETー1を測定すると、全く変化が認められなっかた。また、培養内皮細胞系においてECEの阻害作用を有するphosphoramidoneを腎動注しても腎機能は有意に変化しなかった。これらのことから、bigETー1は腎臓において、活性をもたずETー1に変換されない可能性が示唆された。 3.ECEの精製と酵素化学的な検討 肺、腎、大動脈のホモジェネイトとbigETー1をインキュベ-トし、ETー1への変換を測定すると、その活性は肺が最も高い値を示した。至適pHは酸性側と中性付近に認められた。酸性側の活性はpepstatinで抑制され、中性付近で観られる活性はphosphoramidoneで抑制された。膜分画について、可溶化後同様の活性を測定すると、失活した。今後可溶化剤の選択、使用条件等をさらに検討する必要がある。また、現在さらに、変換活性が高く且つ精製が容易な臓器・組織(血液を含めて)を検索している。
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Research Products
(1 results)