1993 Fiscal Year Annual Research Report
長期アルコール摂取の中止による肝癌発症促進機構とその予防
Project/Area Number |
03670370
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高後 裕 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10133183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20244345)
越田 吉一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10231309)
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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Keywords | LECラット / アルコール / アルコール脱水素酵素 / アセトアルデヒド脱水素酵素 |
Research Abstract |
Long-Evans Cinnamon(LEC)ラットは金属(銅および鉄)代謝異常を有し、肝炎・肝癌を自然発症することが知られている。本研究では申請当初、長期エタノール摂取の中止による肝癌発症に与える影響を検討することを目的として本ラットにエタノールを投与したが、数日以内に死亡することが判明したため、平成5年度は本ラットに存在するエタノール代謝異常について検討した。LECラットの腹腔内にエタノールを投与し(2g/kg体重),血中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで測定すると,両者の血中濃度は,対照に比べエタノール投与4時間後まで約2倍遅延していた。次にLECラット肝のエタノール代謝関連酵素解析を行った結果、アルコール脱水素酵素(ADH)およびアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)活性(とくにlow KmALDH活性)は,対照のWistarラットに比べ約25%低下していた。そこで両酵素の活性低下の原因を明らかにする目的で、LECラット肝のADH-1遺伝子およびALDH-2遺伝子を解析した結果、LECラット肝ADH-1遺伝子の第1イントロンに16塩基のinsertionが存在するとともに、ALDH-2遺伝子の第67codonにCAG→CGG(Gin→Arg)の点突然変異が存在することを見い出した。すなわち、LECラット肝のADH-1およびALDH-2遺伝子は異常を有しているためにこれらの2つの酵素が不活性型となっているものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中島正博: "Long-Evans系ラットにみられたエタノール代謝異常" アルコールと医学生物学. 13. 34-37 (1993)
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[Publications] 加藤淳二: "Abnormal Hepatic Iron Accumulation in LECrats." Jpn.J.Cancer Res.84. 219-222 (1993)
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[Publications] 加藤淳二: "LECおよびLEAラットにみられたアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH-2)遺伝子異常の解析" アルコールと医学生物学. (印刷中). (1994)
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[Publications] 中島正博: "Abnormal Ethanol Metabolism in Long-Evans Cinnamon Rats." Alcohol&Alcoholism. (印刷中). (1994)
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[Publications] 中島正博: "アルコール性肝炎疾患における血清アシアロ糖蛋白レセプタ(AGPR)測定の有用性" アルコールと医学生物学. (印刷中).