1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670374
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中野 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60093283)
|
Keywords | ヒト / 伊東細胞 / I型コラゲン / III型コラゲン / IV型コラゲン / 免疫組織化学染色法 / 培養系 |
Research Abstract |
研究目的 手術時得られた切除肝の一部組織より分離したヒト伊東細胞の培養系について、I、IIIおよびIV型コラゲンの単抗体を用い、免疫組織化学的にヒト伊東細胞のコラゲン合成を検討した。 方法および材料 既に報告した方法(肝臓32:169ー174)に従い、切除肝を細切し、組織培養を行うと切片周囲に種々の細胞が増殖する。この細胞を8,13,18%metriamide溶液の三層比重遠心法で分画し、上層、中層の境に集まる伊東細胞を多く含む細胞を集めた。分離・培養した伊東細胞を、3ー4回継代した細胞を、LabーTek 4 ewll chamber slide(Nunc Inc.)上で培養したものについて、コラゲン単抗体を用いperoxidaseーantiperoxidase法にて細胞内コラゲンの存在を免疫組織化学的に証明した。なお、ヒトのI、III、IV型コラゲン単抗体は、和歌山医大病理学教室大島章教授より提供されたものを用いた。 成績 1.I型コラゲンの局在:I型コラゲンは主として核周辺に網目状、あるいは顆粒状に染色され、一部は細胞質周辺辺縁部に小顆粒が連なる形状で染色された。 2.III型コラゲンの局在:III型コラゲンの局在、染色様式は、大略I型と同様であった。 3.IV型コラゲンの局在:I、III型と同様に核周辺にみられるものの、染色性は低かった。しかし、I、III型に比し細胞内に広く網目状に染色される様式が観察された。 結論 培養系ヒト伊東細胞は、細胞内にI、IIIおよびIV型コラゲンが証明され、その細胞内分布、様式はラットなどの動物で報告されたものと類似である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 中川 正則,中林 仁美,高松 正剛,中野 博: "ヒト培養伊東細胞内におけるI,IIIおよびIV型コラ-ゲンの免疫組織学的検索" 肝臓. 33. (1992)