1991 Fiscal Year Annual Research Report
スフィレゴリピド-シスにおける骨髄移植療法の有効性に関する研究
Project/Area Number |
03670491
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乾 幸治 大阪大学, 医学部・小児科, 講師 (90175208)
|
Keywords | クラツベ病 / 骨髄移植 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
人クラツベ病のモデルマウスであるtwitcher mouseを用いその病態を生化学的に、形態学的に解明するとともに、骨髄移植、遺伝子治療を行い、人スフィンゴリピド-シスの治療の可能性の研究を行なった。1)病態の解析のために、Twitcher mouseの座骨神経の培養を行い、 ^3Hベルガラクト-スを添加し、ガラクトシルセラミド(Galcer)、ガラクトシルサイコシン(Galpsy)の合成能を検討し、また各々の合成酵素を測定した。その結果、罹患マウスでは生後1週目マウスですでにGalcerの合成能が低下し、4週目では正常の15%に低下していた。罹患マウスで蓄積の認められるGalpsyの合成能は正常と差がなく、1週間のガラクト-ス添加にて始めてGalpsyの蓄積が認められた。スフィンゴシンラベルのGalcer,Galpsy添加実験から、Galcerは直接Galpsyに代謝されることはなく、またGalpsyはスフィンゴシンに代謝されたのち、Galcerに合成されることが判明した。Galcer,Galpsyの合成酵素は2週目で、罹患マウスで正常の50%以下に低下していた。2)治療の試みとして成熟マウス大腿骨より得られた骨髄細胞(6×10^7cell)及び、4週齢4ウス大腿皿頭筋より得られた筋芽細胞(4×10^6cell)を用い、大腸菌のIac8遺伝子にchicken beta actinプロモ-タ-をつないだ遺伝子,Luciferase遺伝子に同様のプロモ-タ-をつないだもので導入遺伝子として、HV3リポゾ-ム法を用い、細胞融合法にて行なった。各々培養細胞でのマ-カ-遺伝子の一過性の発現は認められたが、それをマウスに移植し、各臓器への分布、上記記載した代謝異常の改善を認めるまでには致っていない。今後、遺伝子導入の効率の上昇、発現期間の延長のための導入方法について検討する。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Taniike M,et al.: "Localization of sphingolipid activator proteinー1(SAPー1)in the brain of a normal human and a patient with metachromatic leukodystrophy." Acta Histochem Cytochem. 24(2). 215-222 (1991)
-
[Publications] Midorikawa M,et al.: "Uptake and metabolism of radiolabelled GMlーganglioside in skin fibroblasts from controls and patients with GMlーgangliosidosis." J Inher Metab Dis. 14. 721-729 (1991)
-
[Publications] Nishimoto J,et al.: "GMlーgangliosidosis(genetic βーgalactosidase deficiency):identification of four metations in different clinical phenotypes among japanese patients." Am J Hum Genet. 49. 566-574 (1991)