1992 Fiscal Year Annual Research Report
成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症機序に関する研究
Project/Area Number |
03670514
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Research Institution | Kansai Medical Univeristy |
Principal Investigator |
岩瀬 帥子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10077638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 崇嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (40131437)
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Keywords | ARDS / 新生児 / BPD / エンドセリン-1 / MAS |
Research Abstract |
ARDSの発症機序を知る目的の一つとしてエンドセリン-1を用いた。 I.BPD発症におけるエンドセリン-1の役割 エンドセリン-1(ET-1)は強力な血管収縮物質として知られており気管支喘息発作時には気道吸引液中にも出現し、気道上皮細胞中のET-1mRNAの増加がみられる。一方、BPDの発症には肺における炎症反応がその進展に大きく関わっていることが知られており、BPD発症にET-1の関与が想像される。そこで、今回我々はNICU入院患児の気管内吸引物の炎症惹起作用をウサギ肺胞マクロファージ(AM)を用い、ウミホタル・ルミフェリンによる化学発光を検討すると同時に、気管内吸引物中のET-1値を測定した。対象はBPD発症例13例と、BPD非発症例14例である。方法は、感染家兎よりAMを採取し、生後2〜4日、6〜7日、12〜14日の間に採取した気管内吸引物を10ul添加後37℃、15分間in cudateし、PMA10ul添加し、ウミホタル・ルミフェリンの化学発光をBerthold社製Biolumat LB 9505により測定した。また、気管内吸引物中ET-1はSep-pak C-18カラムにて抽出後、ELISA法にて測定した。結果、気管内吸引物添加後の最大化学発光量は生後2〜4日のサンプルでは両群に差が見られなかったが、6〜7日、12〜14日のサンプルではBPD発症群では有意に高値を示した(PK0.01)。また、気管内吸引物中ET-1値も同様の結果であった。AMによる化学発光量はET-1を添加した場合、濃度依存性に増加し、BPD発症例の気管内吸引物をAMに添加する際、同時に、ET-1抗体を添加すると、濃度依存性に化学発光量の抑制が確認された。結論として、エンドセリン-1はBPDの発症に関与する重要な因子であることが証明された。 II.ARDSの全国調査(再調査) 新生児の臨床病理を中心とした全国調査を行っている。
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Research Products
(1 results)