1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670696
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
千木良 正機 群馬大学, 医学部, 講師 (70143196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 英一 群馬大学, 医学部, 教授 (70009976)
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Keywords | Protein free culture / Autonomic proliferation / Calmodulin / Protein Kinases / Protein kinase inhibitors |
Research Abstract |
無蛋白質培養系における自律的増殖能の起源を求める上で,成長因子の自己分泌が分裂を促進しているがどうかを明白にしなければならない。そこで千木良は細胞は内在的に自律的な分裂を行なう機構を先験的に有しているという仮説を立てた(裏面参照)。この仮説が正しいか否かを立証するために,成長因子の作用を細胞内で阻害するアルカロイド(蛋白質リン酸化酵素阻害剤)を培養系に導入して,分裂が阻害されるかどうかを検討した。この結果,無蛋白質培養細胞では上記の薬物によって分裂が阻害されない事実が判明した。次にこれら細胞の分裂を特異的に阻害する薬物を求め,カルモジュリン阻害剤によって特異的な分裂阻害が起こることを知った。しかも同薬剤は成長因子要求株では分裂の阻害を引きおこさなかった。カルモジュリン阻害剤の作用機序を調べるために,抗カルモジュリン単クロ-ン抗体を用いて免疫電気泳動を行なうこと,無蛋白質培養細胞では細胞質内の遊離カルモジュリンが少なく,膜や他の不溶な蛋白質に結合したカルモジュリンが有意に増加していた。この事実は従来まったく知られていなかった自律的細胞分裂がカルモジュリンを介する内在的な機構によることを示している。無蛋白質培養細胞はリン酸化酵素阻害剤によって分裂が阻害されないことから,他の薬物のスクリ-ニングを開始し,寄生虫症治療剤の一部がこれら細胞に対して特異的な分裂阻害を引き起こすことを明白にした。さらにこれら薬剤の作用機序を解折中である。
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