1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670736
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 太 日本大学, 医学部・麻酔科学教室, 教授 (80101335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 瑛盛 日本大学, 医学部・麻酔科学教室, 助手 (50216181)
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Keywords | 神経筋庶断 / マグネシウムイオン / 筋弛緩薬 / 複合筋活動電位面複曲線 |
Research Abstract |
課題にあげた薬剤のうち,本年度は特にマグネシウム(Mg)の影響について研究した。硫酸マグネシウムは不癒を合併した帝王切開の麻酔で治療薬として用いられるため,筋弛緩薬との相互作用が問題となる。 全身麻酔下の念の座骨神経を電気刺激し,腓膜筋から複合活動電位(Compound action potential,CAP)を導出し,連続刺激の開隔を変えることにより得られる面復曲線(recovery curve,RC),および四連反応比(trainーofーfour ratio,TOFR)を指標として検討した。 結果は,Mg投与によるCAP振幅が投与量後存性に抑制された。このMgによる神経筋庶断時のRCは,80msec以下の刺激問隔で著明な上昇を示し,かつその程度はMg投与量を増して庶断をより強くするとさらにRCの上昇も強く生じた。一例として7msec刺激間隔でみると,コントロ-ルの440%上昇した。またより長い刺激間隔ではRCは100%以下に下降したものの,その程度は筋弛緩薬が作用している場合よりもかなり軽度であった。これに対応してTOFRは0.5以上を示し,筋弛緩薬作用時より減表の程度であった。同時に測定した血清Mgイオン濃度がコントロ-ルの3倍に上昇した時に,CAP振幅がコントロ-ルの25%に抑制されることが分った。 以上の結果からMg投与は神経筋庶断を起こすが,その機序は筋弛緩薬と異なり,神経終末からの伝達物質放虫抑制が主体であると考えられた。そこで次の段階では能弛脳薬により部分庶断が生じている時にMgを作用させた場合に,どのような庶断が生ずるかについて追求する予定である。
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