1991 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱利尿筋の電気刺激による反応における無機イオンの影響
Project/Area Number |
03670751
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 厚生 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30022875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸隆 名古屋大学, 医学部, 助手 (90240043)
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Keywords | 利尿筋収縮 / Mgイオン / 壁在神経刺激 |
Research Abstract |
ラット膀胱の壁在神経を電気刺激して得られた利尿筋収縮に対する、マグネシウム(Mg)イオンの効果を検討した。 方法は雌ラット膀胱体部より筋切片を作製して10mlの実験浴槽内に懸乗し、白金電極を用いてfield stimulationをおこなって、以下の実験を行った。また、高濃度KCl溶液により惹起される持続的収縮に対するMgイオンの効果も実験した。 1.電気刺激に対するfreguencyーresponse curveを求めたところ、Mgーfree溶液中では利尿筋収縮は正常Krebs液中の比較して有意に増強され逆に高濃度Mg(MgCl_25nM)溶液中では有意に抑制された。 2.Mgイオンをcumulativeに添加した場合、電気刺激に伴う利尿筋収縮は濃度依存性に抑制され、MgCl_230mMでほぼ完全に消失した。 3.Verapamil(calcium entry blocker)はMgイオンの収縮抑制効果に対して促進的に作用し、逆にBay‐K8644(calcium channel openner)は、抑制的に作用した。 4.Procaine(Caーinduced Caーreleasing blocker)によりMgイオンの収縮抑制効果は増強された。しかしcaffeine(Caーinduced Caーreleasingーagonist)を添加してもMgイオンの作用に変化は認めなかった。 5.高濃度KCl溶液中における利尿筋の持続的筋収縮に対して、Mgイオンは地緩作用を示した。 以上より、Mgイオンは、主に細胞膜に存在するCaーchannelを抑制し、かつ細胞内Caイオンの放出を制限することにより、利尿筋収縮を減弱・消失させることが示唆された。
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Research Products
(1 results)