1992 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱利尿筋の電気刺激による反応における無機イオンの影響
Project/Area Number |
03670751
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 厚生 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30022875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆範 名古屋大学, 医学部, 医員
山田 幸隆 名古屋大学, 医学部, 助手 (90240043)
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Keywords | 壁内神経刺激 / 排尿筋収縮 / Mgイオン / ヒト神経因性膀胱 |
Research Abstract |
正常ウサギのwhole bladderを利用して、電気刺激による排尿筋収縮に対するMgイオンの作用を検討した。結果は、Mgイオンは壁内神経電気刺激による排尿筋収縮を有意に抑制した。Mgイオンの膀胱平滑筋の収縮抑制効果は、Ca entry blockerのverapamilにより増強され、Ca-channel openerのBay-K8644により減弱した。いずれもラット膀胱の筋切片の電気刺激による排尿筋収縮に対するMgイオンの作用とほぼ同様の結果であった。 次にヒト神経因性膀胱を利用して膀胱の壁内神経を電気刺激し、その反応性をコントロール膀胱と比較検討した。その結果、電気刺激に対するfrequency-response curveから神経因性膀胱では壁内神経の刺激に対して反応性が亢進していた。Tetrodotoxinを加えたところ神経因性膀胱、コントロール膀胱ともに収縮反応は消失した。Atropineに対してはコントロール膀胱に比較して神経因性膀胱では有意に高いatropine抵抗性を認めた。閥値下KCIに対しては神経因性膀胱、コントロール膀胱ともに反応性は増大したものの、この増大率は神経因性でより小さかった。またCa-free溶液に変換後の収縮反応の減衰は神経因性膀胱の方が有意に緩徐であった。神経因性膀胱とコントロール膀胱の間には基本的な収縮力には差はなかったものの、電気刺激に対する収縮反応、アトロピン抵抗性、Kイオンによる収縮増強作用、Ca-free溶液中での収縮反応には有意差を認めた。
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Research Products
(2 results)