1992 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜における銀好性細胞の出現とその本態に関する研究
Project/Area Number |
03670784
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 外幸 大阪大学, 医学部, 助教授 (50028552)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 銀好性細胞 / 腸上皮化生 / 増殖細胞核抗原 |
Research Abstract |
正常子宮内膜には銀好性細胞は極めて稀か、あるいは殆んど認められないとされているが、癌化によって約20%の頻度で出現する。このような銀好性細胞の子宮内膜癌における発現機序および生物学的意義についてはまだ充分解明されていない。本研究では出現機序については腸上皮化生の立場から、また生物学的意義については増殖能の立場からそれぞれ検討を加えた。 サイトケラチン7は婦人科癌では陽性であるが、腸上皮癌では陰性であり、腺癌の鑑別に利用されると報告されている。従って、子宮内膜癌におけるサイトケラチン7の有無と銀好性細胞の発現との相関を検討した。結果は、子宮内膜癌で銀好性細胞の出現に平行してサイトケラチン7が失われるとは限らず、腸上皮化生説は必ずしも支持されなかった。しかし、サイトケラチン7の消失が腸上皮化生の絶対的指標になり保つか否かには疑門もあり、今後の検討に残されている。 腺癌における銀好性細胞の増殖能については消化器癌では認められないとされているが、子宮内膜癌についての研究はこれまでにない。最近増殖細胞の核に発現する抗原、すなわち増殖細胞核抗原(PCNA)がホルマリン固定パラフィン切片においても検出可能な抗体が開発され、これを用いた検討では、子宮内膜癌でも消化器癌と同様に増殖能のないことが判明した。このことは子宮内膜癌において銀好性細胞発現の有無と今後との間に相関性のないことと符合すると考えられるが、生物学的意義については遺伝子レベルでの相関性の検索が今後に残されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ueda,G,Sawada,M.,Ogawa,H.,Tanizawa,O.,and Tsujimoto,M.: "Immunohistochemical study of prolierating cell nuclear antigen(PCNA)in endometrial carcinoma with argyrophit cells" Gynecologic Oncology.
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[Publications] Ueda,G.and Yamasaki,M.: "Neuroendocrine carcinoma of the uterus.In:Gynecological tumors(N.Sasano,Ed.)" Springer-Verlag,Berlin, 378 (1992)