1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670822
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉田 尚史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50133393)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 成彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40173017)
|
Keywords | 中耳真珠腫 / コレステロ-ル代謝 / 細胞培養 |
Research Abstract |
滲出性中耳炎におけるコレステロ-ルの由来は血清と考えられている。しかし真珠腫内に存在するコレステロ-ルに関する研究は充分でなくその由来に関して全く定説の無いのが現状である。我々は数年来、このコレステロ-ルは真珠腫由来との仮説にて実験を行なってきた。その結果真珠腫由来の培養細胞において細胞内にてコレステロ-ルが条件によって産生される事が分かった。今回は真珠腫並びに対照としての外耳道皮膚を彩取後、組織培養を行い仮説を証明するために次に示す検索を行なつた。 すなわちこれらを組織培養する際、コレステロ-ルの前駆物質であるacetete,とleucineのHとCをそれぞれラベルした物を培養液に加えた。そして24時間後に組織内のHーcholesterolとCーcholesterolを調べ真珠腫組織内にてコレステロ-ルが産生されているか否かを検討した。 その結果は外耳道皮膚においても真珠腫組織においてもacetete由来のコレステロ-ルは見られなかった。一方leucine由来のコレステロ-ルは真珠腫内には見られたが外耳道皮膚には見られなかった。このleucine由来のコレステロ-ルは一般的にはコレステロ-ル代謝においてメインではなく多くのコレステロ-ルはacetete由来と考えらている。以上の結果を考察するとコレステロ-ルがなんらかの理由で真珠腫内で産生されるだけでなく、そのコレステロ-ルは肝臓などで作られるコレステロ-ルとは違いleucine由来であったのは真珠腫内ではコレステロ-ルが作られる際、肝臓と違う酵素が作用してコレステロ-ルが産生されているとの仮説をたてる事となった。今後酵素学的検討を加えこの仮説を証明したいと考えている。
|