1992 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質石灰化過程におけるオステオポンティンの生合成とその遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
03670893
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10127847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 浩 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90127803)
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Keywords | 象牙質 / 歯髄 / オステオポンティン / 石灰化 / タンパク質 |
Research Abstract |
ラット切歯髄由来のクローン細胞であるRDP4-1,およびRPC-C2A細胞を用いて実験を行った。これらの細胞はいずれも高いアルカリホスファターゼ活性を示し、石灰化との関連を追究する上で有用な実験系である。平成3年度の研究で、これらの細胞がリン酸化オステオポンティンを合成分泌することを明らかにしたが、平成4年度では、このリン酸化オステオポンティンには2種類の分子サイズのものがあり、一つは69kDa、もう一つは60kDa(10%SDS-PAGEゲル上)であることが判明した。主たるバンドは60kDaであり、リン酸化の程度も69kDaよりも顕著であった。さらに、これら2種類のオステオポンティンはいずれも硫酸化を受けていることが、[^<35>S]硫酸標識実験によって明らかとなった。[^<32>P]リン酸標識の場合と同様に、硫酸化オステオポンティンはトロンビンによって消化され、10%ゲル上で32kDaと28kDaの2つのバンドに分かれた。また、オステオポンティンのモノクロナール抗体を用いて免疫沈澱法を行ったところ、69kと60kDaの位置にオステオポンティンのバンドが確認された。2種類のオステオポンティンが存在し、そのいずれもが硫酸化されるという報告は、ラット頭蓋冠由来骨原性細胞や骨髄由来細胞においても報告されており、硫酸化オステオポンティンの存在によって石灰化が促進されると言われている。今回の結果、すわわち歯髄細胞が硫酸化オステオポンティンを合成分泌していたという事実は、これらの歯髄クローン細胞がまさに石灰化準備状態にあることを示すとともに、オステオポンティンは石灰化と密接に関連した蛋白の一つであることを示唆するものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 川原 淳子,横田 美佳,安友 美保子 下保 恵子,浜崎 章弘,永田 俊彦,石田 浩,若野 洋一: "ラット歯髄細胞が合成するタンパク質と石灰化との関連" 日本歯科保存学雑誌. 34. 1435-1441 (1991)
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[Publications] Mika Yokota,Toshihiko Nagata,Hiroshi Ishida & Yoichi Wakano: "Clonal dental pulp cells(RDP4-1,RPC-C2A)synthesize and secrete osteopontin(SPP1,2ar)." Biochemical and Biophysical Research Communications. 189. 892-898 (1992)