1991 Fiscal Year Annual Research Report
結晶化ガラスの口腔外科的応用に関する研究ー人工歯根機能負荷時の周囲顎骨組織の経時的変化ー
Project/Area Number |
03670954
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
麻生 智義 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (90167916)
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Keywords | 生体材料 / 結晶化ガラス / 人工歯根 / ラベリング / 機能負荷 |
Research Abstract |
結晶化ガラス人工歯根を成犬下顎骨に埋入して、機能負荷時における周囲顎骨組織の経時的変化を知る目的で実験を行っている。 実験は雑種成犬20頭を用いて両側下顎第2前臼歯から第1後臼歯部に人工歯根を埋入し、上部構造を装着して人工歯根を機能下におき、現在までに機能後5日、10日、15日、30日、60日、90日、120日、150日の期間についてテトラサイクリンでラベリングを行い、機能負荷、非機能負荷の人工歯根周囲顎骨組織を蛍光顕微鏡および光学顕微鏡で観察を行った。その結果、海綿骨領域では機能負荷後5日目、10日目、30日目では人工歯根周囲にテトラサイクリンによるラベリングが認められ、その後はラベリングは認められなくなるものの、人工歯根周囲の骨の厚みに大きな変化は認めず、骨梁の太さ、量も維持されていた。皮質骨領域においても人工歯根表面に形成された骨は緊密に接していた。非機能負荷人工歯根においては、実験後30日を越え、60日目頃より人工歯根表面に形成された骨に萎縮が認められ始め、実験後90日目には人工歯根表面に形成された骨の厚みとともに、骨梁は細く減少する所見を認めた。 以上の結果から、結晶化ガラス人工歯根は機能負荷を加えることにより、骨梁の太さ、量が維持され、海綿骨、緻密骨領域において骨と人工歯根が緊密に接しており、臨床応用の可能性が示唆されている。現在さらに機能負荷後300日まで経過をおって観察中である。
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