ウコギ科Oplopanax属ハリブキ(日本産)と刺人参(中国産)の成分研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03671012
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 庄司 順三 昭和大学, 薬学部, 教授 (60053782)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 宮腰 正純 昭和大学, 薬学部, 助手 (50239373)
• Keywords: ウコギ科 / Oplopanax japonicus / Oplopanax elatus / フラボノイド配糖体 / トリテルペノイド配糖体

Research Abstract

ウコギ科植物成分研究の一環として,日本産ハリブキ(Oplopanax japonicus NAKAI)と中国産刺人参(Oplopanax elatus NAKAI)の成分を比較検討する目的で本研究に着手した. 前年度は主として我が国で採集したハリブキの成分研究を行ない,2種のフラボノイド配糖体,4種のトリテルペノイド配糖体を単離し,その化学構造を明らかにした.本年度は中国長白山にて採集した刺人参についてその成分を検討した.前年度既に報告した2種のフラボノイド配糖体,2種のトリテルペノイド配糖体を単離・確認するとともに,更に本年度は刺人参乾燥葉のメタノールエキスを処理し,8種のトリテルペノイド配糖体成分を単離・精製した. それらの化学構造を検討した結果,oleanolic acid 3-ο-β-D-glucopyranoside,3α,23-dihydroxy-olean-12-ene-28-oic acid,3β-hydroxy-lup-20(29)-ene-28-oic acid,3β-hydroxy-lup-20(29)-ene-23,28-dioic acid 3-ο-β-D-glucopyranoside,3α,23-dihydroxy-olean-9(11),12-diene-28-oic acid,3α-hydroxy-23-oxo-olean-9(11),12(13)-diene-28-oic acid,3α,23-dihydroxy-olean-11,13(18)-diene-28-oic acid,3α-hydroxy-23-oxo-olean-11,13(18)-diene-28-oic acidの28位のカルボン酸にα-L-rhamno-pyranosyl(1→4)-β-D-glucopyranosyl(1→6)-β-D-glucopyranosyl基がエステル結合している構造と推合した. 限られた刺人参葉のエキスを分離・精製して得られたこれら化合物の化学構造についての知見を更に詳細に検討を行なっている.
日本産ハリブキの成分についても葉以外の茎,地下部の成分について検討を続行している.