1991 Fiscal Year Annual Research Report
強心配糖体の新規ハプテンを用いたイムノアッセイの開発
Project/Area Number |
03671037
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
藤井 洋一 北陸大学, 薬学部, 助教授 (10121287)
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Keywords | 強心配糖体 / イムノアッセイ / ハプテン / ジギトキシン / ジギトキシン3'ーサクシネ-ト / ラジオイムノアッセイ / 抗体 |
Research Abstract |
強心配糖体は心不全の治療に広く用いられているが、狭い治療域のため血中濃度を知ることは極めて重要である。その測定にはイムノアッセイが現在使われているが、強心配糖体の代謝産物との交叉反応が大きく、多くの問題点を含んでいる。今回、digitoxin 3'ーsuccinateの新規ハプテンを用いて、代謝物であるbisdigitoxoside,monodigitoxoside,geninおよびdihydrodigitoxinとは交叉反応率が低く、digitoxinに対して特異性の高い抗血清を調製できた。まず、digitoxinをピリジン中無水コハク酸と反応させ、ついでNaHCO_3による選択的加水分解反応後、シリカゲルクロマトにより分離精製し、digitoxin 3'ーsuccinateを合成した。得られた新規ハプテンを水溶性カルボジイミドとpーニトロフェノ-ルにより活性エステルとし、ウシ血清アルブミン(BSA)と縮合させてハプテンーBSA結合体に誘導した。この抗原をFreund's complete adjuvantと混合し、家兎に皮下注して6ヶ月間免疫した。産生された抗体の抗体価および特異性は、radioimmunoassay(RIA)により検討した。RIAはリン酸buffer中で行い、標識化合物には ^3Hーdigitoxinを使い、BF分離にはdextranーcoated charcoal法を用いた。液体シンチレ-ションカウンタ-によりboundのradioactivityを測定して、logーlogitplotによる標準曲線を作成したところ、1〜100ng/mlの範囲で直線性を示した。また、抗体の親和定数をScatchard plotにより求めたところ6.4x10^8 L/molであった。この抗体は、近縁化合物のdigitoxigenin bisdigitoxoside(4.0%),dihydrodigitoxin(2.8%),digoxin(2.4%),digitoxigenin monodigitoxoside(0.23%),digitoxigenin(<0.05%)との交叉率が低く、高い特異性を有していた。ヒトの血清にdigitoxin 10 ng/mlおよび20 ng/mlを添加してのintraーassay(n=8)のC.V.はそれぞれ8.4%,7.6%であり、このRIAは精度の高いものであった。
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Research Products
(1 results)