1991 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞抑制因子LD78の受容体の同定と白血病細胞でのコピ-数の同定
Project/Area Number |
03671193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 俊夫 京都大学, ウイルス研究所, 助教授
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Keywords | 幹細胞 / サイトカイニ / LD78 |
Research Abstract |
その機能は未知であったLD78ではあるが、近年になりヒト骨髄幹細胞の造血能を単球を介しての抑制能(自治医大研究グル-プ)、破骨細胞の分化促進能(九大研究グル-プ)等が明らかにされてきた。本研究では大腸菌由来LD78を用い、放射ラベルLD78蛋白が単球性及び巨核芽球性由来白血病細胞株に結合する事を見いだし、これらの細胞が特異的受容体を有する事を明らかにした。その受容体は高い結合定数と低い結合定数を有する2種類が存在し、少なくともその一種類の分子量は5,200であることも明らかにした。また、ILー8やγインタ-フェロンはLD78の受容体への結合を阻止しなかった。アミノ酸配列上LD78と相同性を示すILー8の受容体は一種類の親和性を示しており、LD78受容体が二種類の親和性を示している事は興味深い。LD78受容体遺伝子の単離は大量のLD78蛋白が得られず遂行できなかった。LD78遺伝子がαとβの2種類存在すること及び個体によってはγが存在することが野見山らにより明らかにされた。LD78が属するβトロンボグロブリン属の他のサイトカイン群の受容体も未だその遺伝子構造が明らかにされていないことは、その遺伝子同定にかなりの困難が予想される。現在LD78遺伝子の上流にある転写蛋白結合因子の解析もおこなっている。これらの実験によりLD78の病態及び発症に及ぼす影響を明らかにできる物と期待している。
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Research Products
(1 results)