1992 Fiscal Year Annual Research Report
調理操作過程における野菜のカロテノイド色素の変化と酵素活性
Project/Area Number |
03680072
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
上柳 富美子 静岡県立大学, 食品栄養科学部食品学科, 助教授 (20046189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近 雅代 静岡県立大学, 食品栄養科学部食品学科, 助手 (10046211)
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Keywords | カロテン分解率 / 野菜 / リポキシゲナーゼ / 加熱調理 / 抗リポキシゲナーゼ活性 |
Research Abstract |
昨年はカロテン分解率より野菜類のリポキシゲナーゼ活性を測定し、5つの性質の事なるグループに分類した。今年度は、大豆のリポキシゲナーゼ活性と比較する方法で野菜類の活性を測定することとした。 生の状態で活性を示したものは、大豆、ささげ、黒豆などの豆類と、測定するサンプルによって異なるものの、じゃが芋、ほうれん草であった。昨年のようにすべての野菜に活性は見られなかった。このことは、使用した野菜類の酵素液が粗酵素液であったために、カロテンを分解する他の酵素が存在し、その酵素活性が同時に測定されたのではないかと考えられる。つまり、今まではカロテン分解酵素はすなはちリポキシゲナーゼと考えられていたが、それ以外の酵素も混合していると考えた方が良いと思われる。昨年は加熱によっても、抗酸化剤によってもカロテンを分解する酵素力が残ったが、今年のリポキシゲナーゼ活性は加熱によって消失した。 野菜類の抗リポキシゲナーゼ活性を同時に実験した。抗リポキシゲナーゼ活性は生の野菜の方が大きい値を示した。野菜類では緑の濃いニラ、ホウレンソウ、チンゲンツアイ、芋類のサツマイモ、セレベス、ジャガイモ、キョウイモ、サトイモに活性が見られ、根菜類のゴボウにも存在した。ニンニクは10倍希釈液でも活性が見られた。加熱したものに抗リポキシゲナーゼ活性が見られたものにニラ、ナス、キウイ、キヌサヤ、ピーマン、ダイコン、ショウガ、シメジ、フトネギの他豆類があった。豆類はリポキシゲナーゼ活性と同時に抗リポキシゲナーゼ活性を有する成分も同時に保有している事がわかった。
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