1992 Fiscal Year Annual Research Report
住空間デザインの志向性からみた住文化の類型化に関する研究
Project/Area Number |
03680073
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
富樫 穎 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10047251)
|
Keywords | 住文化 / 住空間デザイン志向 / 外観デザイン / 室内デザイン / 生活行事 |
Research Abstract |
1)大阪市内の都心マンション及び公営住宅、大阪府周辺の郊外住宅の3種類の住宅の居住者(主婦)を対象に調査を実施し、合計315名の有効回答を得た。次いで、和歌山県美里町の山村居住者(主婦)を対象に調査を実施し、115名の有効回答を得た。 2)上記の調査で得られたデータについて因子分折を行なった結果、住空間デザイン志向の型として「伝統和風志向」型、「近代洋風志向」型、「反伝統脱近代洋風志向」型の3つが存在することが確認された。 3)「伝統和風志向」型は年令層が高くなるにつれて増加するのに対して、「反伝統脱近代洋風志向」型はその逆の傾向を示すこと、「近代洋風志向」型を支持する者は年令的な特徴がみられないこと、が明らかになった。 4)都市居住者の場合、住宅階層(都心マンション、公営住宅、郊外住宅)別にみた住空間デザイン志向の差異は認められず、むしろ、都市居住者と山村居住者の差異が著しいことが明らかになった。すなわち、都市居住者は「伝統和風」を志向する者より「反伝統脱近代洋風」を志向する者の方が多く、山村居住者は「反伝統脱近代洋風」を志向する者より「伝統和風」を志向する者が多いことが明らかになった。 5)上記4)の結果は、山村居住者のデータが少ない段階での結果であるため、和歌山県中津村の山村居住者と滋賀県近江八幡市浅小井町の平地農村居住者を対象に追加調査を実施した。それらのデータを加えて分析を行なった結果、4)に述べた傾向が追認された。また、同じ農村部でも、山村居住者と平地農村居住の間には住空間デザイン志向に差異がないことが明らかになった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 富樫 穎・岡田 知子: "居住地の景観デザイン志向について-都市居住者と山村居住者の比較-" 日本建築学会近畿支部研究報告集(計画系). 第31号. 437-440 (1991)
-
[Publications] 岡田 知子・富樫 穎: "山村居住者の居住地景観志向-都市居住者との比較-その1・研究の目的と因子分折の結果" 日本建築学会1991年度大会学術講演梗概集・E. 983-984 (1991)
-
[Publications] 富樫 穎・岡田 知子: "山村居住者の居住地景観志向-都市居住者との比較-その2・居住地景観志向の型分けとその特徴" 日本建築学会1991年度大会学術講演梗概集・E. 985-986 (1991)
-
[Publications] 岡田 知子・富樫 穎: "The residential landscape preference of mountain village dwellers-The comparison with urdan dwellers-" 日本建築学会計画系論文報告集437号. 97-105 (1992)
-
[Publications] 岡田 知子・富樫 穎: "居住地景観志向について-農山村居住者と都市居住者の比較-" 日中伝統民家、集落研究シンポジウム論文集. 83-88 (1992)