1991 Fiscal Year Annual Research Report
新制女子大学及び家政学部の創立とCIEー米国側文献及び生存当時者の証言を中心にー
Project/Area Number |
03680086
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
角尾 篤子 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (00180034)
|
Keywords | 家政学部 / 新制女子大学の創設 / 戦後の教育改革 / ホ-ムズ / 民間情報教育局(CIE) / 女子の高等教育 / イ-ルズ / トレイナ-文書 |
Research Abstract |
第二次世界大戦終結直後、1945年から52年の間、連合軍総指令部(SCAP)民間情報教育局(CIE)の課長補佐として勤務したジョセフ・C・トレイナ-(Joseph C.Trainor)が、米国スタンフォ-ド大学フ-バ-研究所公文書館(Hoover lnstitution Archives,Stanford Univ.)に託したトレイナ-文書(Trainor Paper),ホ-ムズに関しては、カリフォルニア州立大学バ-クレイ校が所蔵するホ-ムズ文書、CIE元当事者、ワシントン州立大学、新聞社、親戚、知人等から得た手紙やインタビュ-によって収集した情報にもとづいて、研究を進めている。 まず言えることは、当時直接及び間接に、第二次世界大戦後の教育改革に携わった日本人の記憶と記録に基づいた記述を、歴史的公文書でもって裏付けを与えることが出来ることによって、占領下の力関係のもとでの具体的教育改革、とりわけ女子の高等教育改革の経緯に歴史的分析を加える作業が出来る可能性が十分に生まれてきつつあることである。 具体的な改革の中でのGHQ教育課アドバイザ-等職員、一人一人の行動覚書、考え方、文部省や教育刷新委員会との会合の内容や、その相互の関係を明らかにすることによって、その時期の教育改革の進行を明解にすることが出来ると思われるので、特にホ-ムズの教育課への到着から、米国への帰国(1946年夏から1948年春)までの時期に焦点をあてて資料を収集、整理、翻訳、分析をくわえている。そのうち重要な事柄の一つとして「大学基準協会」設立に関連したことと、もう一つは、ホ-ムズと一緒に教育課で仕事をしていたウイグルスワ-スの帰国後、米国で短期大学連盟の理事をしていたイ-ルズがその後任として着任し、今までの教育課の政策からはずれた様々な見解を展開し、ホ-ムズの新制4年制大学推進案と鋭く対立し、プロジェクトが停滞したことがあげられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Atsuko T.Kusano(執筆名): "Historical Aspects on Departments of Home Economics and the Founding of New Universities for Women in Japan after World War IIーDr.Holmes and CIE 1946ー1948ー" 日本家政学会誌. Vol.43. (1992)
-
[Publications] Atsuko T.Kusano: "Departments of Home Economics and the Founding of New Universities for Women in Japan after World War II" (1992)