1992 Fiscal Year Annual Research Report
結合発振回路網の解析とその化学反応・生体リズムへの応用に関する研究
Project/Area Number |
03805028
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川上 博 徳島大学, 工学部, 教授 (60035631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 哲哉 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助手 (40220694)
勢井 宏義 徳島大学, 医学部, 助手 (40206602)
長篠 博文 徳島大学, 工学部, 講師 (40035655)
吉川 研一 名古屋大学, 大学院人間情報学研究科, 教授 (80110823)
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Keywords | 結合発振器モデル / 同期現象 / 分岐現象 / 神経振動体 / カオスの同期 / 睡眠覚醒リズム / 多相振動 / 包絡線の同期 |
Research Abstract |
(1)睡眠覚醒リズムの数学モデルとして2個の発振器が結合した電気回路モデルに強制外力を引加した系を取りあげ,基本調波および分数調波同期化現象を解析した。これらの同期はサーカディアンおよびインフラディアンリズムに対応している。特にインフラディアンリズムに対する解析はこれまでになされていない。このことから分岐ダイアグラムや同期のメカニズムに新らしいパタンのあることが分かった。分岐のパタンの解析は引続きすすめる予定にしている。 (2)化学反応系のモデルとして3個の発振器の結合係数の異なる系に生じる発振の同期や停止の現象を解析した。また実際の反応系で実験し同様の現象のみられることを確認した。結合係数の異いと分岐の詳細を更に解析予定である。 (3)環状に結合した硬い発振器回路において波形の包絡線の同期が生じることを見い出した。この現象は摂動法により,解析的に説明できる。系が強非線形系となった場合における同様の現象を分岐の理論を用いて解析中である。 (4)神経振動体のモデルとして考えた結合発振器の発振モード移行の現象を解析中である。実際に環状結合した振動体を計算機シミュレーションし、モード移行の生じるパラメータ領域を求めた。どのような分岐現象と対応してるか現在解析を進めている。 (5)周期的外力としてインパルス列や矩形波のような不連続波形を引加した非線形系の解析を定性的に行う方法を確立した。更に不連続点を許した力学系の解析法およびこのような系にみられる特有の分岐現象を計算するアルゴリズムを確立した。これらの方法をBVP方程式や合成力学系の解析に応用し研究を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉川 研一: "化学モデルと不動点-化学反応によるリズムとパターン-" 情報処理. 33. 334-341 (1992)
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[Publications] 勝田 祐司: "対称性をもつ非線形自律系に見られる平衡点と周期解の分岐" 電子情報通信学会論文誌A. J75‐A. 1035-1044 (1992)
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[Publications] 吉永 哲哉: "環状に結合した硬い発振器に見られる同期した準周期振動" 電子情報通信学会論文誌A. J75‐A. 1811-1818 (1992)
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[Publications] K. Yoshikawa: "New strategy of informational processing: utilization of nonlinear dynamics of chemical sensing" Physica A. 188. 243-250 (1992)
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[Publications] S. Nakata.: "Entrainment in an electrochemical forced oscillator as a method of classification of chemical spociesa new strategy to develop a chemical sensor" Physica D. 59. 169-176 (1992)
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[Publications] H. Kawakami: "Switched Dynamical Systems -dynamics of a class of circuits with switch-" Proc.of the RIMS Conference:Structure and Bifurcations of Dynamical Systems. 11. 39-58 (1992)