1991 Fiscal Year Annual Research Report
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03805032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 孝一 北海道大学, 工学部, 助教授 (30125322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 正道 北海道大学, 医学部, 教授 (70000940)
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
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Keywords | 光 / 生体 / 無侵襲計測 / 散乱 / 拡散 / 透視 / イメ-ジング / 光CT |
Research Abstract |
生体のような高濃度散乱体中の光伝搬の研究を通し、体内機能情報を計測・可視化するための基礎的研究を行った。理論的・実験的検討を通して、以下の結果が得られた。 1.ランダム媒質内の電磁波伝搬の理論的解析、およびモンテカルロ法に基づくコンピュ-タシミュレ-ションにより、短パルス(ピコ秒オ-ダ)光の生体内伝搬の様子がある程度明らかになった。出射パルス光の時間波形の解析から、生体内吸収物体の形状や吸光度に関する情報を得る新たな手法の可能性が見いだされた。 2.高濃度散乱体中に吸収物体を挿入した生体モデルを用い、実験的検討を行った。散乱係数と透視像の空間分解能、および散乱係数と局所的透過光量との関係を解析し、次の知見が得られた。散乱による透視像分解能の劣化原因は二種の機序によること、またそれらを分離することにより透視像からでも内部物体の吸光係数の推定が可能であることがわかった。 3.種々の実験条件(光源の種類・受光系の構成など)を試み、生体透視像撮影の可能性を調べた。その結果、マウスやラットの頭部・体幹、ヒトの手掌・手首などの透視像を実時間で動画像として撮影することが可能であることがわかった。また、それぞれの場合に適する実験条件が得られた。 4.異なる波長の光源を用いて透視像を撮影し、体内組織の酸素化状態の変化が、透過光量変化として透視像中に現れることを確かめた。 今後は、これらの結果を基に、体内機能のイメ-ジングをめざし、更なる研究を続行していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 清水 孝一: "光による生体透視" 病態生理.
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[Publications] 大野 渉: "光による生体透視の可能性とその応用" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE91. 7-12 (1991)
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[Publications] 北間 正崇: "光を用いた生体断層イメ-ジングのための基礎的検討" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE91. 1-6 (1991)
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[Publications] 菊地 眞: "光と生体" 昭晃堂,