1991 Fiscal Year Annual Research Report
逆相ガスクロマトグラフィ-による高分子ブレンドおよび高分子表面の研究
Project/Area Number |
03805084
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 輝武 神奈川工科大学, 工学部・工業化学工学科, 教授 (30173678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 美智子 神奈川工科大学, 工学部・工業化学工学科, 助手
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Keywords | 逆相ガスクロマトグラフィ- / 高分子 / 高分子相互作用係数,X / ポリフッ化ビニリデン / 比保持容量,Vg^0 |
Research Abstract |
本研究の第一目的を達成する為の第一関門は、逆相ガスクロマトグラフィ-(IGC)で正確に高分子/高分子あるいは高分子/溶媒間の相互作用係数Xパラメ-タが求められるかどうかである。この関門に対して文献的に確度の高いAlーSaighらの研究(Macromolecules,22,2974(1981))を参考にして、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)に対して、アセトン,トルエン,ベンゼン,DMFの四種の溶媒を使用し、温度80℃〜220℃間を20℃間隔に分割して各温度で得られる比保持容量Vg^0を求めた。この際PVaF充填カラムは、PVaFの充填剤に対する塗布量を3,6,12重量%のものをそれぞれ使用した。それぞれのカラムから得られたVg^0を比較してみたところ,例えばアセトン120℃で6%と12%のカラムではVg^0に21%の相違がみられた。したがってこのVg^0から計算して求めたX値には50%の相違があらわれることがわかった。このことは正確なX値を求めるためには先ず塗布量の補正を行なう必要があることを示していることになる。さらにキャリヤ-ガス流速,試料注入量,担体等のVg^0に対する影響的因子も大さく,正確なXを求めるには、すべてこれらの影響的因子が零になったVg^0を求める必要があることがわかった。この様なVg^0に対する影響的因子を調べているなかで手間取ったことの一つに,影響因子の傾向が必ずしも文献に報告されている結果がなく、逆の効果になるすなわち個々の使用機器特性に依存する項目があることも実験によって始めてわかった。次に上記したことからわかる様に、Vg^0を正確に求めようとすれば、実験手法的にかなり面倒である。このためデ-タのパソコン処理をめざしたが、残念ながら、これは完成したとはいえない。今後まずこの点に集中して第一関門を通過したい予定である。ガスクロマトグラフィ-とイウ動的手法から熱力学的諸量を求めるためには上記諸補正は必然的に必要なことと考えるに到った。
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