1992 Fiscal Year Annual Research Report
逆相ガスクロマトグラフィーによる高分子ブレンドおよび高分子表面の研究
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03805084
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 輝武 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30173678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 美智子 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (20085153)
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Keywords | インバースガスクロマトグラフィー / 高分子 / 溶媒間相互作用 / ゴム状高分子 / 熱可塑性高分子 / 結晶性高分子 / ポリ(フッ化ビニリデン) |
Research Abstract |
各種高分子の相互作用測定に対するIGCの適用性を温度範囲80〜200℃にわたって調べるために,ゴム状高分子(I)(EPR,NBR),熱可塑性高分子(II)(PMMA),結晶性高分子(III)(PVDF)を取り上げ,各々に対してほぼ共通の溶媒七種を用いて,これらとの相互作用をまず調べた。PMMAとPVDFは相溶性ブレンドを形成するために用いた。 各温度での溶媒の比保持容量Vg^0にカラム中の高分子の量比の影響を調べるため,3〜4種の量比について得られたIn Vg^0〜1/Wプロットを行った。EPR,NBRともほとんどの溶媒でその勾配に規則性は無いが直線プロットで得られた。一般的に180〜200℃の高温データには、「荒れ」が目立ち直線外挿が困難であった。各温度での得られたIn Vg^0(補正後)corr,〜1/Wプロットを作ると大部分の溶媒で良好な直線関係が得られた。各溶媒のInVg^0corr.値はデカンとペンタンの間に位置した。PMMAのInVg^0〜1/Tプロットの特徴は,120〜160℃に反転の見られることであった。これは,PMMAのTgの高分子銷運動の凍結解除の温度に一致する。したがってPMMAの場合,In Vg^0〜1/Wプロットから,(I)と同様な方法でInVg^0corr.を求めようとしても,この領域ではその外挿は不正確なものとなった。反転領域外では,InVg^0corr.(I)と同様に求めることができた。PVDFでもInVg^0〜1/Tプロットは,140〜180℃に反転がみられる。これは結晶の融解に相当する。この領域外では,InVg^0〜1/Tプロットは(I)と同様であり,各温度に相当するInVg^0corr.を求めることができた。得られたVg^0corr.を用いて,高分子/溶媒間相互作用係数χ^<12>,無限希釈時の活量係数Ω^∞_1を求めた。 この様に平成4年度までに単一ポリマー/溶媒系の相互作用をIGCで求める方法が確立されたと考える。今後当初目的としたポリマー1/ポリマー2系の相互作用をIGCを求める研究に入る予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田崎 美智子: "ポリ(フッ化ビニリデン)のゲルのモルホロジー" 高分子論文集(50巻NO.6). 50. (1993)
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[Publications] 田崎 美智子: "ポリ(フッ化ビニリデン)の溶媒から形成したゲルのモルホロジー" 神奈川工科大学研究報告(B-17). B-17. 299-302 (1993)
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[Publications] M.Tazaki: "Gelation of Poly(vinylidene fluoride)from acetone solution" Reports on Progress in Polymer Physies in Japan. 35. 99-100 (1992)