1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan lnstitute of Gerontology |
Principal Investigator |
朱宮 正剛 東京都老人総合研究所, 老化科学技術研究系・実験動実部門, 研究室長 (20154338)
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Keywords | 遺伝性白内障 / SCRラット / 遺伝解析 / 致死遺伝子 / 劣性遺伝子 |
Research Abstract |
SCRは11週齢で遺伝性の核性白内障をおこし兄妹交配を続けながら特性調査と遺伝解析をおこなってきた。F2〜17の平均白内障発症率に性差なく64.4%であった。SCRのF2およびF16で正常系(NC/1,NC/2)を分離しそれぞれF20に達し近交系として確立した。SCRの白内障発症に関する遺伝解析として、当初毛色テスター系(有色)のabh-albラットとの交配実験を行いF1は全て正常でF2およびSCRへの戻し交配(BC)の有色個体に1例も白内障が認められなかった(0/48,0/21)ため、アルビノ遺伝子座cとの連鎖を考え同じ染色体上の標識遺伝子HbbとRtp-2に注目してBUF(アルビノ)とACI(有色)ラットとの交配実験を行った。しかしながら第1染色体との連鎖は否定されBUF,ACIとのBC世代の白内障発症率はそれぞれ26.7%、26.1%であった。有色ラットの白内障は判定しにくく必ずレンズを摘出して行うこととし再度abh-albとの交配実験を行った。その結果F1にも白内障が出現し正常F1をSCRに戻し交配した結果50%に白内障が認められた。念のためNC/1,NC/2とSCRの交配実験も行った。これらの結果およびSCRの産仔数がNC/1に比べて約2匹少なく22.1%の胎仔死亡認められたことより、(1)SCRの白内障発症には常染色体上の優性致死遺伝子と劣性伝伝子が関与し、(2)NC/1,NC/2は優性致死遺伝子が淘汰され劣性遺伝子を維持、(3)abh-albも同様の劣性遺伝子を保持していると考えられる。これらの仮説はSCR,NC/1,NC/2の維持および各交配実験の成績を矛盾なく説明できる。現在[abh-alb×SCR]F1(50%出現)[BUF×正常SCR]F1×SCR](25%出現)などの追試確認実験を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 朱宮 正剛: "遺伝性白内障ラットSCRの遺伝育種学的研究" 日疾動録. 8. 59- (1992)
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[Publications] Mizuno,A.,Shumiya,S.Toshima,S.& Nakano,T.: "Alteration of lens disulfide bonds in newly developed hereditary cataract rat." Jpn.J.Ophthalmol.36. 417-425 (1992)