1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
朱宮 正剛 (財)東京都老人総合研究所, 老化科学技術研究系・実験動物部門, 研究室長 (20154338)
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Keywords | 遺伝性白内障 / SCRラット / 遺伝解析 / レンズ蛋白 / ラマン分光 / 生化学 / 形態 |
Research Abstract |
SCR(Shumiya Cataract Rat)は11〜12週齢で60〜70%に核性白内障を発症し、発症例は生涯持続する。水晶体蛋白のラマン分光解析により、先に開発されたICR(Ihara Cataract Rat)の白濁レンズではSーSが増加しSHが減少するのに対し、SCRではSHが増加しSーSが減少する。また1〜2週齢のSCRの水晶体では還元型グルタチオンが正常の半分に減少している。一方SCRの水晶体は形態的に生後2週齢で異常上皮が認められ白内障末期の後襄下の液化発生や混濁発症時期はICRと類似している。 SCRは兄妹交配により近交系として育成中であり、平成4年3月末でF19に達している。またSCRのF_2とF_<16>で分離した正常ラインはそれぞれF_<20>とF_<19>に達した。これらはSCRの白内障発症に関する遺伝解析に利用する。当初、毛色テスタ-の交配によりSCRの白内障発症には複数の劣性遺伝子が関与し、主遺伝子はc遺伝子座と連鎖する結果を得ていた。そこでc遺伝子座がマップサれている第1染色体上のHbbとRtpー2に注目し、アルビノのBUFとの交配実験を行ったがSCRの白内障発症に関与する遺伝子は単一劣性遺伝子で、Hbbとも独立しているとの成積を得た。これらの結果を確認するためACIとの交配実験を行っている。またSCRの白内障発症について、メラニン合成の中間生成物であるDLーDopAやグルタチオン投与等の影響を調査し、これらの遺伝的関与機構を調査している。 SCRラットは他の研究者に供給し、レンズ蛋白のラマン分光解析,生化学的,形態学的特性調査が行われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 朱宮 正剛・長瀬 すみ: "遺伝性白内障ラットの育成" 日疾動録(日本疾患モデル動物研究会記録). 4. 30 (1988)
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[Publications] 朱宮 正剛・林 賢英・前島 一仁・長瀬 すみ: "遺伝性白内障ラットSCRの白内障発生率と遺伝解析" 日疾動録. 7. 60 (1991)
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[Publications] 岡野 智文・宇賀 茂三・石川 哲・朱宮 正剛: "ラット遺伝性白内障の発生機序に関する形態学的研究(予報)" あたらしい眼科. 8. 1653-1657 (1991)