1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03808012
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
石田 譲 北海道教育大学, 教育学部・釧路分校, 助教授 (90113654)
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Keywords | スポ-ツ運動学 / 運動時間 / 運動空間 / 雄大性 |
Research Abstract |
1.人間の運動を理解する試みはこれまで自然科学系の学問を母体として発展してきており、方法論的認識はかなり確立している。しかし本研究で扱う人間の「感じ方」である「体験される空間」を明らかにするためには自然科学系の学問体系と人間学的学問体系の統合が必要になって来るであろう。平成3年度はこのような観点からスポ-ツ運動学を構築しようとしたMeinelや金子の先行業績の検討を行い、それと同時に井尻(新版科学論,1977)や村上(新しい科学論,1979)らによる考察を背景にしながら、スポ-ツ運動における「体験される空間」を考えて行く上で、どのような科学論的段階を持つべきであるかという検討を行った。その結果スポ-ツ運動における「体験される空間」を考えていく場合、かなり基礎的な段階の認識論、方法論を展開すべきであろうという一応の取り掛かる上での指標を得たが、更に次年度以降も科学論的正当性を保証すべく、検討を深める予定である。 2.「体験される空間」を理解するためには、どのように感じられ、どのように認知されかということが問題の中心であり、それは人間の頭の中に入り込むことを試みることが必要になる。本年度は、ある一人の学習者を長期間追ってビデオに記録し、指導者と学習者の対話による認知の過程や、認知の構造を明らかにしようとした。その結果の一部は、1992年3月のスポ-ツ運動学会において、「指導者による学習者の感覚世界への潜入」として発表した。
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