2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代美術の発展における「非西洋的」要素についての考察-近代画家の旧「満州」体験を中心に-
Project/Area Number |
03F00004
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
劉 建輝 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZAN Xiomei 国際日本文化研究センター, 研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 近代美術 / 満州 / 鉄斎 / 文人画家 / 前田青頓 / 梅原龍三郎 / 石井柏亭 / 藤田嗣治 |
Research Abstract |
今年度はまず「日本近代美術の発展における『非西洋的』要素についての考察」という大きな課題のもとで、日本美術が近代に移行するプロセスにおいて、今までその縦の軸として研究を進めてきた、江戸後期の文人画家富岡鉄斎の近代的な画風に代表される東洋思想の内部からの自発的要素という問題を、『鉄斎の陽明学』(勉誠出版、2004、2)という題の本にまとめた。 と同時に、その横の軸として考えられる近代画家の大陸体験、とりわけ日本の近代美術を代表する画家たち、東洋画では前田青邨、野田九浦、小林古径、福田平八郎、西洋画では藤島武二、梅原龍三郎、青山義雄、石井柏亭、藤田嗣治、須田国太郎などの渡満体験についての調査を行った。また、比較文学会、美学会などの学会に参加し、専門家の諸先生方に関係資料の所在などの情報を伺い、同じ問題意識のもとでの意見交換を行った。 日文研の共同研究会「近代中国東北部(旧満州)文化に関する総合研究」に参加し、「満州」を巡って各分野による研究発表を聞き、旧「満州」に関わる美術活動、美術発展の背景知識として勉強し、「満州」問題の専門家の方々と意見交換を行った。 また、植民地教育の実像を取り上げる竹中憲一著『大連 アカシカの学窓』(明石書店、2003.4)について書評「マダラの追憶をアカシアの翳に重ねて」(『アジア遊学』第53号、勉誠出版、2003.7)を書いた。
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Research Products
(1 results)