2003 Fiscal Year Annual Research Report
ガーナ南部の古生代〜中生代構造発達史に関する岩石学的及び地球化学的制約
Project/Area Number |
03F00065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴田 次夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DANIEL Kwadwo Asiedu 岡山大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / ガーナ / 堆積環境 / 砕屑物質の起源 / ガーナ南部の構造発達史 |
Research Abstract |
地質時代の地球環境を明らかにすることは,地球環境の変遷を支配する基本的な要因を理解するうえできわめて重要である。ある特定地域の古環境は,その場で形成された堆積岩の属性としてその情報の多くが記録されている。そこで,この研究では安定大陸縁辺部における堆積古環境の解明を目的として,ガーナの大西洋岸沿いに分布するオルドビス紀から早期白亜紀の堆積岩について岩石学的・地球化学的属性の検討を進めている。この結果より,砕屑物質を供給した後背地の地質環境や堆積盆の古環境に関する情報を抽出し,堆積場形成のテクトニクスや古環境の変遷を明らかにするとともに,ガーナのオルドビス紀以降の構造発達史に関して堆積岩の岩石学的属性から得られる制約(束縛)条件を求める。 本研究の対象地域はガーナ南部であるが,基本的な野外地質調査および地質試料の採取はD.K.アシードが来日前に済ませた。平成15年7月からの岡山大学における研究では,この野外調査の成果をベースとして地質図の作成・整理を行なうとともに,採取した50個の堆積岩試料の検鏡を実施した。また,砕屑物質の供給源に関する最近の研究の展開について文献調査とレビューを行なった。これまでに得られた採取試料の検鏡結果によると,調査地域の砂岩のほとんどは石英質アレナイトであり,構成鉱物の量比(石英の量が90vol.%以上),砕屑粒子の形状,岩石組織等からきわめて淘汰の良い,成熟した砂岩であることが明らかになった。また,重鉱物としては,ジルコン,ガーネットが認められる。現在,50個の試料から15の試料を精選し,より詳細な岩石学的分析を進めている。特に,砕屑粒子の形状に関する統計分析,重鉱物のEPMA分析,主成分・微量成分元素全岩分析が進行中であり,これらの結果から砕屑物質の供給源に関する解明を試みる予定である。
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