2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00071
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
そ合 憲三 東京理科大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUTZ Francois 東京理科大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | キラル触媒 / 不斉自己触媒 / 立体制御 / ピリミジルアルカノール / ジアルキル亜鉛 / ピリミジンカルバルデヒド |
Research Abstract |
キラル触媒の立体制御力を評価する新しい方法を不斉自己触媒反応を利用することにより開発した。すなわち,従来法でのキラル触媒の評価は各々単独での合成収率および不斉収率に基づくものであるが,キラル触媒の効力に差が小さい場合,合成収率および不斉収率における差も小さくなり,いずれのキラル触媒がより有効であるか評価が困難となる。本研究では,逆の絶対配置の生成物を与える2種類のキラル触媒の等モル量ずつの存在下,ピリミジンカルバルデヒドとジイソプロピル亜鉛の反応を行い,生成物であるピリミジルアルカノールの引き続く不斉自己触媒反応により,より強力な立体制御力を有するキラル触媒に制御された絶対配置を持つピリミジルアルカノールを高い鏡像体過剰率で生成させた。いずれの絶対配置のピリミジルアルカノールが生成するかにより,初めに共存させた2種類のキラル触媒のいずれがより強力な立体制御力を持つか評価することが出来た。例えば,(1S,2R)-N,N-ジブチルノルエフェドリン(DBNE)10mol%と(1R,2S)-N,N-ジメチルノルエフェドリン(DMNE)10mol%の共存下,ピリミジンカルバルデヒドとジイソプロピル亜鉛の反応を行うと(S)-ピリミジルアルカノールが極めて高い鏡像体過剰率で生成することを明らかにした。これによりDBNEがDNMEよりも高い立体制御力を有することを示すことが出来た。この他,種々のジアルキルノルエフェドリンにつき立体制御力の評価を行った。
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