2003 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡を用いた研磨粒子・表面間超精密研磨メカニズムの解明
Project/Area Number |
03F00083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IVAN Uriev Vakarelski 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 摩擦力 / 付着力 / LFM |
Research Abstract |
メモリ等の半導体デバイスの高生能化やマイクロエンジン等のマイクロマシンの開発には、きわめて平滑、平坦な表面の製造・制御技術が必要である。この技術の一つに超精密研磨技術がある。本研究は、これらの技術に隠された分子オーダのメカニズムを明らかにすることを目的とする。 研磨プロセスは、研磨屑をリアルタイムに除去するため、湿式が採用される場合が多い。そこで、種々の水溶液中において、モデル表面としてのシリカ表面間の摩擦力と溶液条件の関係を検討した。すなわち、LFMを用いて、種々の電解質水溶液中のシリカ表面間の摩擦力を直接測定し、電解質種類ならびに電解質濃度と摩擦力の関係を検討した。いずれの電解質においても高い電解質濃度では、表面の潤滑性が高く、濃度とともに摩擦力が減少することを明らかにした。また表面の走査速度すなわち研磨速度と摩擦力の関係は、負に帯電した表面に吸着したカチオン濃度と表面に存在する水和層が決定的に影響を与えていることを明らかにした。 湿式研磨プロセスでは、通常研磨剤に微粒子を用いる。溶液中において研磨粒子と表面間に実際に作用する力を測定した例は見あたらない。そこでAFM探針にnmオーダの粒子を接着する技術の開発を試みた。まず第一段階として、化学結合のように、非常に強く粒子を表面に固定化する方法の開発を行った。モデル表面としての石英表面を改質し、金粒子の固着を試みた。AFMによる観察により、固着の成功を確認した。
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