2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 一三 東京大学, 医科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SADYKOV Marat 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 制限修飾 / 遺伝子増幅 / 利己的遺伝因子 / ゲノム再編 / 枯草菌 / 自然形質転換能 / 細胞死 / 不等交差 |
Research Abstract |
制限酵素修飾酵素遺伝子(制限修飾遺伝子)はしばしば,可動遺伝因子や様々なゲノム再編と関係しており,利己的遺伝子として振舞うことが示唆されてきた.本研究において,我々は染色体上の制限修飾遺伝子において遺伝子増幅が生じることを発見した.枯草菌Bacillus subtilisの染色体に挿入された制限修飾遺伝子,BamH I遺伝子は,相同なDNA鎖と置き換わりにくい性質を示し,形質転換を起こしてもBamH I遺伝子を失わない細胞が現れた.また,こうした細胞のほとんどは,BamH I遺伝子が増幅し縦列に繰り返された配列を有していた.制限酵素遺伝子と修飾酵素遺伝子を1コピーずつ持つクローンを繁殖させると,制限酵素遺伝子に依存してBamH I遺伝子が急激に増幅された.また蛍光in situ hybridyzation (FISH)で見ると,遺伝子増幅が一つの細胞内で爆発的に生じている様子が観察された.このような制限修飾遺伝子の増幅は,制限修飾遺伝子が一つの生き物として行う増殖と細胞間水平伝達を行うウイルス様生活環の一部とも考えられる.さらに,様々な環境下での遺伝子増幅の検出を効率的に行うために,ドットブロットを応用した解析法を開発した.また,DNAの細胞間伝達を検知することにより,制限修飾遺伝子の増幅が水平伝達を起こし易くするのかどうかをみるための,遺伝的にマーキングした枯草菌株を構築した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sadykov M., Asami Y., Niki H., Handa N., Itaya M., Tanokura M., Kobayashi I.: "Multiplication of a restriction-modification gene complex"Molecular Microbiology. Vol 48(2). 417-427 (2003)