2003 Fiscal Year Annual Research Report
貧光下で植物の育成を可能にする抗植物病原性有機肥料の開発
Project/Area Number |
03F00115
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷口 誠 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIVINGSTONE Jeyanthi Rebecca 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 貧光下 / 抗植物病原性有機肥料 / 蔗糖 / プロヒドロジャスモン / 茶樹 / 強酸性土壌 / アルミニュウム陽イオン / 防カビ剤 |
Research Abstract |
研究題目:貧光下で植物の生育を可能にする抗植物病原性有機肥料の開発 最初に数種の栽培植物(ダイコンなど)で、貧光下でかつ無菌的に生育させる条件で、ムラシゲ・スクーグ無機培地を基本とし、有機物として、蔗糖、果糖、ブドウ糖、マニトール、ソルビトール、キシリトールを濃度を変えて検討した。なお保持体としてゲルライトを用いた。貧光下無菌条件で発芽後、10数日後では、新鮮重当たりでは蔗糖0.3%が最も生長促進を示した。なお全ての植物で徒長が観察された。そこで成長を維持しながら、貧光下での徒長を抑制するため、矮化剤B-9を加えたが、徒長と成長の両方が抑制された。そこで、リンゴの発色農薬として開発されたジャスモン酸類似体である、プロヒドロジャスモン(日本ゼオン)を加えたところ、徒長は抑制されたが成長は維持された。この結果は、まず無菌的な条件では貧光下での徒長抑制を達成しつつ、有機物添加での成長維持の目途が達成されたと考えている。次に、強貧光下の室内でかつ非無菌的条件での生育条件を調べるため、成長に強い日照を必要とする、茶樹を植物材料に用いた。茶樹を用いた理由として、カビの生育しにくい強酸性土壌でも生育可能な点、また酸性土壌で土壌材から溶出するアルミニュウム陽イオンにも強い耐性を持つ点が挙げられる。そこで、通常の水耕液(A)、(A)をpH4.5に調整した水耕液(B)、(B)に蔗糖0.3%を加えた水耕液(C)、(C)に食品添加に用いられる防カビ剤を加えた水耕液、(c)に0.1mM塩化アルミを加えた水耕液等、様々な水耕液で、室内で生育を観察した。その結果、多くは室内に置いてから2週間目に落葉がはじまり、4週間で全ての茶樹が落葉したが、(C)の水溶液で最も落葉の遅延が観察された。この後はこの結果をもとに更に落葉が抑制される条件を検討する。
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