2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生心筋細胞を用いたBioペースメーカ開発の基礎的研究
Project/Area Number |
03F00141
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
小野 克重 大分大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAMARENDRA Nath Sanyal 大分大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ペースメーカ / 歩調取り / 再生心筋 / 細胞移植 / イオンチャネル |
Research Abstract |
未分化幹細胞に分化誘導をかけ、心筋細胞特有の興奮収縮連関機能を有する再生心筋細胞を再構成する研究は、循環器領域の研究で現在最も注目されている研究領域の1つである。本研究では再生心筋細胞の電気生理学的解析、すなわちイオンチャネルキネティクスや活動電位(静止電位)の構成イオン電流の誘導機構の解明をおこなった。更に再生心筋細胞を生体内心臓へ移植してその移植再生心筋細胞の電気生理学的評価を以下のように行った。 1.胎児性癌細胞由来細胞P19CL6の心筋分化誘導:胎児性癌由来細胞のSub LineであるP19CL6細胞をdimethel sulfoxide処理すると10日で心筋細胞に分化することを確認した。分化誘導10日目に最大拡張期電位-62mVの自動能を有する再生心筋細胞が得られた。 2.再生心筋細胞の細胞内電位測定:P19CL6細胞の分化刺激から連日パッチクランプ法を用いて膜電流を記録し、更に同イオンチャネルの単一チャネル記録を行った。その結果、I_<Ca・L>、I_<Ca・T>、I_h等のペースメーカ電流チャネルが高密度に発現することが確認された。 3.再生心筋細胞の生体内心への移植:P19CL6細胞が心筋細胞に特徴的な形質に分化するとき、その興奮収縮連関の成立によって収縮・弛緩機能をもった筋細胞が完成される。この再生心筋細胞をラット異所移植心に細胞移植し、同時にテレメトリ送信機を縫着する事で自動能を有する細胞の心臓に対する細胞移植によってレシピエント心臓の拍動の調節を確認した。すなわち、移植再生心筋細胞は元来の心筋細胞とギャップ結合を形成し、興奮性の伝播の為に必要な電荷量の変化が生じること、及び異所移植心の自動能と異なる拍動ペースを有する移植細胞ペースメーカの出現が心電図で確認された。
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