2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国商業銀行における信用リスクポートフォリオ管理システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
03F00179
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
清水 啓典 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIANG Q 一橋大学, 大学院・商学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | default recovery rate / expected default probability / internal credit risk model |
Research Abstract |
2003年11月〜2004年3月迄、default recovery rate (DRR)およびDRRとexpected default probability (EDP)の関係に対して、理論的かつ実証的な分析を行った。その結論として、DRRはクレ,ムプライオリティによって決定されることが分かった。概して言えば、クレームプライオリティは高ければ、DRRも高いということである。DRRの実際の分布が、恐らく最良の測定アプローチであることを示している。そして、すべての測定プロセスの中で、DRRの波動は測定のひとつのキーであることも判明した。今迄は、よく認識された測定基準の不足および利用可能なデータの不足のために、DRRの測定は信用リスク研究の中で長い間にわたうて無視され、ほとんどの内部信用リスク測定モデルDRRとEDPの関係が独立していると仮定してきた。しかし、実証的分析はその仮定が間違っており、その2つの変数の間にマイナスの関係が存在することを示している。これは、内部信用リスク測定モデルが修正されるべきであり、特にDRRとEDPの間のマイナスの関係を考慮に入れるべきであることを意味している。 一方、中国の商業銀行に関しては、できるだけ早く不良債権のデータを集め、国家信用データベースを確立するべきものだ。他方、DRRの波動やDRRとEDPの間のマイナスの相関性を考えれば、内部信用リスク測定モデルを構築し始めるべきだろう。 その上で、スタンド・アロンとポートフォリオ信用リスクの測定に関する研究結果をまとめ、今年の終わりまでに本を出版する予定である。内容は、中国の商業銀行中の内部信用リスク測定モデルを構築するニーズ、EDPおよびDRRによるスタンド・アロンの信用リスクの測定、EDP、DRRおよび任意の2つの信用財産の損失の間の相関性によるポートフォリオ信用リスクの測定なども含まれる。
|
Research Products
(2 results)