2003 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面上のナノメートルスケール磁性ドット規則配列の作製とその磁性
Project/Area Number |
03F00196
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARTINES?ALBERTOS Bofarull Jose?Luis 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁性ドット / 窒素吸着銅表面 |
Research Abstract |
我々のグループは、窒素吸着銅(001)面に形成できるナノスケールの格子構造を用いて、7ナノメートル間隔の磁性量子ドットを2次元的に規則配列させ、その強磁性を調べる研究を行ってきた。これまでの研究により、コバルトと鉄の量子ドット配列を作製する方法を確立し、コバルトでは、独立した超常磁性状態から長距離磁気秩序状態への変化が明らかとなっている。本研究では、さらに定量的な研究へと発展させる計画である。 今年度の研究は、研究員が来日した12月から開始した。磁気カー効果測定装置の改良を行い、清浄なコバルトドット配列を再現性よく作製する条件を詳細に検討している。コバルト蒸着量は、オージェ電子分光法で銅とコバルトの信号を比較することによって行っている。その際、試料作製条件によっては試料表面が多量の炭素で汚染されることがあることが問題点であった。そこで、銅清浄表面を準備するためのアルゴンイオンスパッタリング法と真空蒸着の改良を行った。スパッタリング時のイオン照射角度とエネルギーをパラメータとして、清浄化方法を最適化した。また、コバルトの蒸着方法として、電子ビーム加熱法を採用しタングステンフィラメント由来の炭素が表面に吸着されないようにした。これらにより、旧来の方法に比べて、炭素吸着量を1/3の検出限界以下にすることができるようになった。そこで、<100>方向に微傾斜した銅(001)単結晶基板を用いて、1次元コバルト磁性ドット配列を作製する準備として。窒素吸着条件の最適化を行っている。
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