2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00202
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Host Researcher |
清水 和子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授
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Foreign Research Fellow |
OBERST Hilmar Urlich Hermann 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ヘリウム準安定状態 / レーザー冷却 / 量子反射 / 磁気光学トラップ |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、極低温準安定状態ヘリウム用の精密な原子反射鏡を開発することである。このために、まず超低速準安定状態ヘリウム原子ビームの固体表面における量子反射の研究を行うが、今年度は主に超低速準安定状態ヘリウム原子ビーム生成実験を行った。準安定状態ヘリウム原子をゼーマン法によりレーザー冷却し、磁気光学トラップ(MOT)に捕獲する。捕獲された原子をMOTから解放し自由落下させ固体表面における反射を測定する。下記の点について実験、製作、改善を行った。 1.原子ビームコリメーターを導入する事により原子ビーム強度が1桁向上し、トラップ原子数が大幅に増加した。トラップ容器内の真空度の向上を計った。 2.トラップ用レーザーは半導体レーザーを用い、マスター発振器とファイバーアンプから構成されている。レーザーの発振周波数を、ヘリウム放電管を用いてトラップ遷移周波数にロックし安定化を行い、周波数の離調をコントロールするためには音響光学素子を導入した。原子をMOTから解放するためには、トラップの上方からレーザー光を入射し原子を下方に押し出す方法を用いるが、このためのレーザーをトラップレーザーとは独立に準備した。 3.実験のコントロールとデーター収集・解析のためのコンピューターシステムを製作した。 トラップ光のオン・オフ、プッシュ光のオン・オフの精密なコントロールが任意のタイミングで可能となった。 固体表面で反射した原子の位置を蛍光板付きマイクロチャンネルプレートで検出するが、CCDカメラで2次元画像を記録し、ビデオキャプチャーボードからコンピューターに取り込み解析するプログラムを作成した。
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