2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポストテンションPC構造物におけるPC鋼材の腐食が耐久性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
03F00234
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WITCHUKREANGKRAI EAKARAT 埼玉大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | PC部材 / 腐食 / グラウト / 電食 |
Research Abstract |
ポストテンションタイプのプレストレストコンクリート(以下PC)構造物において、グラウト施工が不完全な橋梁では、供用中、水や塩分の浸透により、PC鋼材が錆びて、橋の耐久性が問題となる。本研究では、電気防食の逆の原理を利用して、PC部材中のPC鋼材または鋼製シースを陽極に、外部電極を陰極にして電気を通電させることにより錆を発生させ、腐食を促す促進試験を行い、PC鋼材の腐食程度が残存耐力と安全性に及ぼす影響を、グラウトの充填度、かぶり等を変化させて実験的に明らかにした。 (1)グラウト充填率が高い場合において梁の長手方向に腐食ひび割れを生じ易い傾向にあった。しかし、PC鋼材を腐食因子から保護するという点からは、グラウト充填率が高い方がPC鋼材の腐食が生じる可能性は低くなる。 (2)グラウト充填率が100%のものでも塩化物イオンの浸透が進めばPC鋼材の腐食は生じる。本腐食促進試験においては、グラウト充填率100%の供試体について30日間の通電を行った結果、PC鋼材に26%の質量欠損が生じ、健全なものと比較すると82%の耐力低下を生じた。 (3)シースに腐食を生じている梁では、その腐食生成物による膨張圧により曲げひび割れを生じ易い状態となった。また、供試体側面に発生する腐食ひび割れはコンクリート剛性の低下やシースとコンクリートとの付着を低下させ、破壊形式を曲げ破壊から付着破壊へと移行させ終局耐力の低下を引き起こした。この場合、終局時の耐力、変位ともに曲げ破壊するときよりも小さな値で終局に至る傾向にあった。 (4)通電月数の増加と共に終局荷重、終局変位ともに小さい値となり、梁が腐食劣化していくに従い脆化することが分かった。本試験で得られた結果では、終局荷重と通電日数に相関関係が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Minh, H., Mutsuyoshi, H., Witchukreangkrai, E., Niitani, K: "Effect of Corrosion on Post-tensioned Concrete Beams with Poor Grouting Condition"Proceedings of 4th International Conference on Concrete Under Severe Conditions of Environment and Loading. CONSEC'04. (2004)