2003 Fiscal Year Annual Research Report
凍結融解作用下のコンクリート複合材料における塩化物イオンの移動拡散鋼材腐食の評価モデルの開発
Project/Area Number |
03F00235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHO Taejun 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 凍結融解 / 細孔構造 / 連結性 / 耐久性 / 相平衡 / 気泡 / 熱力学 |
Research Abstract |
(1)凍結時の細孔中水分の状態方程式の精緻化 コンクリート中の細孔に捕捉されている水分の状態方程式を氷点下に対しても適用し,固相-液相-気相の3相平衡状態に対しても適用できるように,従来の水分平衡移動解析モデルDuCOMを拡張した。また,氷点下120度までの自由体積変化を計測するとともに,絶乾燥状態と不飽和湿潤状態,ならびに湿潤完全飽和状態のコンクリートの挙動の違いを実験によって求め,適用を考慮しているモデルの精度と適用性について検討を行った。その結果,挙動の大枠は追跡が可能であることを確かめた。 (2)気泡(entrained air)の構造モデルと粗骨材中の水分 従来の熱力学モデルは極低温での体積変化は対象とするも,粗骨材中の水分と気泡による水圧降下作用は考慮できていないことから,この2者を考慮可能な熱力学構成モデルの基本デザインを行った。水圧降下のモデル化には,微細孔空隙間の連結性と局所移動抵抗を考慮する必要があることが明確となった。これまで4次の局所ランダム連結性が気相の移動に関して知られていたが,セメント硬化体中の細孔から,独立気泡への連結性は2次連結性と第一次近似しても良いことが実験によって分かってきた。 粗骨材中の水分とセメント硬化体中の水分の局所交換は,連成解析システムDUCOMでも考慮されてきたが,この機能が直接,凍結融解作用に適用できるか否かの検討を同時に行った。低温時の骨材中の水分凍結平衡線を得ることができれば,コンクリート複合体のシステムに対しても適用が可能であることが感度解析でおよそ分かった。
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