2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARINO Edoardo Michele 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 鋼構造骨組 / 座屈補剛ブレース / 耐震設計 / 地震応答 |
Research Abstract |
より高い耐震性能を確保するための構造形式として、座屈補剛ブレースを用いた鋼構造骨組を想定し、(i)現在までにわが国で蓄積されてきた研究開発成果を、特に耐震設計への適用を念頭において英語で記述すること;(ii)ダンパーとしてではなくブレース付き骨組として座屈補剛ブレースを用いることを想定し、特に筋違いを取り囲むバックアップ骨組に要求される強度と剛性という切り口から分析し、適切な耐震設計手順を提示すること:(iii)ブレース付き骨組に組み込む座屈補剛ブレースに要求される諸性能を簡便に実現しうるブレース形式を考案し、その性能を実験によって検証すること、を目的とする。 本年度は上記研究目的(i)〜(iii)のうち、主として(i)と、(ii)の一部を実施した。(i)については、過去30年にわたって日本で実施されてきた関連研究を85編の論文を収集することから概観し、それらを、歴史的変遷、プレキャストパネル系の補剛ブレース、鋼管系の補剛ブレース、アンボンド材料、接合部詳細設計、設計方法と実施例からなる英文論文としてまとめた。また(ii)については、座屈補剛ブレースの特徴を引き出すために、比較の対象として従来から用いられてきた座屈ブレースを用いた構造形式の地震応答性状を調べることから始め、階数、ブレース細長比、強度、入力地震動を変数とする弾塑性地震応答解析を実施した。その結果、ブレース細長比によってその応答性状(最大変形)が大いに変わること、中程度の細長比に対して最も塑性変形が増大する傾向にあることを明らかにした。座屈補剛ブレースを組み込んだ場合の応答性状について、階数、強度、入力地震動を変数とした現在解析を進行させている。
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