2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールで制御された微細構造を有する高信頼性鉛フリーはんだ継手
Project/Area Number |
03F00248
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 大阪大学, 接合科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAO Feng 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 鉛フリーはんだ / 界面組織 / 金属間化合物 / ナノインデンター / 微量元素添加 / Sn-Ag-Cu / Sn-Cu-Ni / 時効 |
Research Abstract |
エレクトロニクス微細実装に用いられる接合材料の鉛フリーはんだ化が急ピッチで進行しているがその継手接合信頼性の確保は十分とはいえない。これは本系材料の実使用期間が短く十分な基礎データの蓄積がないことと、鉛フリーはんだが接合相手金属材料との大きな反応性を有するためである。継手信頼性のほとんどは、接合界面構造に支配されるが現状ではその解明が十分ではない。 そこで、本研究では、鉛フリーはんだ及びその接合界面の微細組織観察を行い、継手の長期信頼性を調べその相関を明らかにすることを目的としている。 本年度は界面組織をナノスケールで観察しその機械的特性評価の基礎検討を行うために。いくつかの鉛フリーはんだを作製し、銅と接合した。接合時間及びその後の高温保持による金属間化合物成長を検討することとした。 使用鉛フリーはんだ材料は、主としてSn-3.05Ag-0.5Cuであり、接合温度は250℃を標準とした。はんだ付時間を変化させ、溶融状態でのはんだと銅との界面反応形態の変化をみた。他に、界面反応及び金属間化合物成長に及ぼすはんだへの微量元素添加効果をみるために、Sn-0.7CuにNiを0.05%,0.10%及び0.2%添加してその影響を検討した。 銅との接合界面に、はんだ付中に形成される金属間化合物はη-Cu_6Sn_5であり、はんだ付時間が長くなるにつれて成長した。また、はんだ付直後は、スカラップ状に形成され、その厚さは不均一であったが、時効すると金属間化合物厚さは全体的に平均化され、平滑な様相を示した。 Ni添加はんだでは界面のη-Cu_6Sn_5へのNiの固溶が確認された。またこの相のEPMA分析結果から、NiはCuと置換しているものと思われ、金属間化合物相は、(Cu,Ni)_6Sn_5の形で表現できることを明らかにした。今後、これらの金属間化合物の機械的特性をナノインデンターを用いて計測する。
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