2003 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体触媒の蛋白質内部空間導入による金属酵素の創成
Project/Area Number |
03F00268
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 芳人 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NARAYANA Reddy Pattubala Adi 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | ミオグロビン / 人工酵素 / 酸化反応 / 鉄 / 銅 / シッフ塩基 / ヘム / 金属酵素 |
Research Abstract |
金属錯体触媒の蛋白質内部空間導入による金属酵素の創成を行うために以下に示す2つの方法を用いて人工蛋金属白質の合成を試みた。 1)金属錯体の挿入 ヘム蛋白質であるミオグロビンから補欠分子属であるヘムを抜き取ったアポミオグロビンに銅シッフ塩基錯体の挿入を試みた。ESI-TOF MSによるスクリーニングからは非選択的に複数個の錯体がアポミオグロビンに結合していることが明らかとなった。過酸化水素を酸化剤とする基質の酸化反応を行ったが、活性を確認するには至らなかった。 2)金属イオンの挿入 一方、酸化酵素活性中心に存在する二核鉄、二核銅中心をアポミオグロビン活性中心に構築するために、F43H,H64D,H64A,L89H,H64D/T67S変異体を作成した。これら変異体のアポ体に鉄イオン、銅イオンを添加しESI-TOF MSを測定したところ、金属イオンが1つあるいは2つ付加したアポミオグロビンのピークが観測された。これらの結果は活性中心に金属イオンが配位していることを示している。大量精製すると同時に、分子モデリングソフトによる詳細な分子設計を行い、最適変異体の選定を継続している。また、今後は精製や各種酸化剤との反応をグローブボックス中で行い、UV測定による反応追跡をおこなっていく予定である。 以上に示した結果から今後は金属イオンの挿入による人工金属酵素の構築に焦点を絞って進めていく。
|