2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00278
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 啓作 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Shu?man 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シリコンナノ粒子 / 量子結晶 / クラスター結晶 / 自己集積超格子 |
Research Abstract |
物質をナノレベルで形、大きさを制御し、その表面状態を設計した表面修飾ナノ粒子がナノテクノロジーにおける次世代の代表的な物質として注目を浴びているのは周知の事実である。これによりマクロに連続的に組成変化を持たせた傾斜材料の設計が容易になり、また期待される量子サイズ効果により新たな電子物性が設計されるためである。我々は4年前に日本において始めてナノ粒子を構成要素とする2次元、3次元の人工的な粒子結晶の作成に成功し、昨年にはSiクラスターを用いて世界で始めて4族元素のクラスター結晶の作成に成功した。この粒子の結晶はナノメートルの周期構造を持つ量子ドット結晶といえるものであり、21世紀に期待されるナノテクンロジーのキー物質となるものである。このようなこれまでの成果を踏まえて、本研究計画では更に発展させSiクラスター結晶の大量生産を行って、その光学的、電気的な物性測定を行う。 平成15年度においてはLiu博士に我々の開発したシリコンナノ粒子の作成法を勉強してもらうのが主目的である。すでに3種類の異なるシリコンクラスターの作成法を比較検討してもらった。大量生産を狙ったアークプラズマ法は装置の開係もありナノ粒子を生産するまでには到らなかった。論文に報告のあるガス中蒸発法に基づくナノ粒子作成はmgを作成するのが現有機器では精一杯でこれ以上の生産は見込めないことが明かとなった。原料をメーカーから入手しうるSiOxを出発原料とするシリコンクラスターの作成はナノ粒子の作成に一応成功した。しかしまだ量産にはほど遠く、効率の良い熱処理の仕方、出発原料としてのSiOxのxの設定など解決すべき課題が残っている。後数ヶ月これらの問題点を検討してもらい、その後サイズを揃えたナノ粒子やクラスター結晶の効率的な作成法を研究してもらう。それを用いて気液界面におけるナノ粒子結晶の作成は次年度の研究課題である。後年度における物性測定を念頭に置いて特に大きなシリコン粒子結晶作製の条件だしをしてもらう。 なお平成15年度は研究を開始したばかりであるため、報告すべき出版物はない。
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