2003 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電子移動に基づく蛍光性化学センサーの開発と分析チップへの応用
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03F00280
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANKARAN Nedumbamana Brahmadathan 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 蛍光性レセプター分子 / DNA / 一塩基置換 / DNA融解温度 / 核酸塩基 |
Research Abstract |
遺伝子分析の中で一塩基置換(SNPs:Single nucleotide polymorphisms)を検出する方法の開発は、テーラーメイド医療の点からも汎用的で簡易な方法が望まれている。本研究では、脱塩基DNAなどDNAの高次構造を利用し、これと水素結合能を持つ蛍光性小分子レセプター分子との相互作用による標的塩基の選択的検出を行う。 本年度は、標的塩基を含む11量体のDNAに対し、標的塩基に対向する相補塩基の塩基部位と糖の部位を除いたDNAを合成し、両者が二重鎖を形成したときに標的塩基の対向部位が疎水小空間となる場(APサイト)を構築した。蛍光性分子であるリボフラビンとAPサイトを含むDNA二重鎖を共存させ、紫外分光法によりDNA融解温度を測定することでリボフラビンの標的塩基選択性を検討した。その結果、アデニンとグアニンでは融解温度の顕著な変化は得られなかったが、チミンとシトシンに対し、融解温度がそれぞれ3.5度、4.2度と増大し、シトシンとチミンに対する選択性が得られた。11量体及び23量体のAPサイト含有DNAによるシトシン検出能をリボフラビンの蛍光強度変化から結合定数として評価した。その結果、例えば温度5℃において11量体DNAでは4.2x10^5M^<-1>であり,23量体では6.4x10^5M^<-1>と、APサイト含有DNAのオリゴマーの長さへの依存性が少ない結果が得られた。温度を20℃まで上昇しても結合定数自体は小さくなるもののオーダーが変化するほどではない結果が得られた。 以上により、リボフラビンを用いたシトシンに関する選択的SNPs検出法を開発した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.B.Sankaran, S.Nishizawa, N.Teramae: "Selective cytosine detection using riboflavin as a fluorescent receptor with hydrogen-bonding ability based on AP-site containing DNA duplexes"Analytical Chemistry. (発表予定).