2003 Fiscal Year Annual Research Report
多層カーボンナノチューブ中での多様で構造制御されたナノp-n接合の構築
Project/Area Number |
03F00282
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Quanghong 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ / ドーピング / ヘテロ接合 / 鋳型法 |
Research Abstract |
本研究では多層カーボンナノチューブ中のBやN原子の分布や位置を精密に制御して、本のチューブでB元素を含むp型のカーボン層とN元素を含むn型の層を同心円状や直列など様々な形で接合させることが目的である。そのため、アルミニウム陽極酸化皮膜を鋳型として用いる。 そこで、硫酸浴中にてアルミニウム板の陽極酸化を行った。生成したアルミニウム陽極酸化皮膜には膜面に垂直に直線状のナノ細孔が無数に存在していることを確認した。また、陽極酸化時の電圧や電解質を変えることにより、ナノ細孔の径が異なる(10nm〜100nm)数種類の陽極酸化皮膜を調製した。 BあるいはN元素のドーピングを行うため、それぞれCVD用原料ガスとしてベンゼン/三塩化ホウ素混合ガスとアセトニトリルを使用した。三塩化ホウ素はBを含む炭素膜をCVD法で作製する場合によく使用されるガスであり、アセトニトリルに関しては申請者らはすでに予備実験を行っており、Nを含むカーボンナノチューブが合成できることは確認している。これらの原料ガスを逐次的にCVDすることにより、外側と内側がそれぞれC/BあるいはC/N層の二重構造のナノチューブの合成を行った。CVD条件の最適化を計るため、さまざま温度、時間で実験を行った。その結果、次のような知見が得られた。三塩化ホウ素は鋳型である陽極酸化皮膜と反応するので、まず最初にアセトニトリルのCVDを行ってから、ベンゼン/三塩化ホウ素のCVDを行う必要がある。また、最適CVD温度は725℃でその時間は20minである。 次年度はこの最適CVD条件で作製したカーボンナノチューブのキャラクタリゼーションを行う。
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