2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F00290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立間 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIAN Yang 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒 / 光電気化学 / 酸化チタン / 金ナノ粒子 / 銀ナノ粒子 / 電荷分離 / プラズモン / フォトクロミズム |
Research Abstract |
酸化チタン-銀ナノ粒子系は、様々な色を表示できる多色フォトクロミズム現象を示す。この現象は、光励起した電子がアクセプターへ移動する、金属ナノ粒子の酸化反応によって起こる。しかしながら、ナノ粒子の化学変化を伴わない電子-ホールの電荷分離はまだ報告されていない。そこで、本研究では、多孔質性の酸化チタンに担持した金や銀のナノ粒子の、プラズモン誘導電荷分離について研究を行った。 ここでは、プラズモンによって励起され、金属微粒子表面で振動している電子を外部回路に取り出せることを見いだした。これに基づき、酸化還元活性種存在下における、酸化チタン-金ナノ粒子の、開回路光電位のアクションスペクトルを測定したところ、吸収スペクトルと一致することを見いだした。ここで、最大の電位変化は540nmの波長で得られ、約140mVであった。電荷が分離していることを確認するために、閉回路時の光電流を測定し、光子-電流変換効率を求めたところ、540nmにおいて約1%であった。このことから、電荷分離が起こっており、金ナノ粒子が増感剤として機能していることが確認された。 銀のナノ粒子を用いた場合にも同様の結果が得られ、光電位および光電流のアクションスペクトルは、ナノ粒子の吸収スペクトルとよい一致を示した。最大の電位変化は150mVであり、これは金ナノ粒子系とほぼ同じであったが、光子-電流変換効率は約4倍の4.1%であった。また、粒子を選択することにより、電位や電流を生じる波長を制御できることを明らかにした。
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