2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ブレンドにおける流動誘起相反転:レオロジー、その場および3次元構造観察
Project/Area Number |
03F00299
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 雅興 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MACAUBAS Paulo Henrique Parrin 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 高分子ブレンド / 流動誘起相反転 / シート構造 / リング構造 / コレステリック液晶 / 可視化レオメーター / 界面テンソル / 共焦点レーザースキャン顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、共連続構造を含む高分子ブレンドの相反転現象を、その3次元構造含めて系統的に明らかにすることを目的としている。本年度は、(1)流動誘起相反転時に現れるシート構造とリング構造について、2次元構造-レオロジーの同時測定と流動停止直後の3次元構造観察、(2)大変形時における共連続構造について、構造観察と応力測定を行った。さらに、(3)流動時に出現する界面の基本形状(楕円体、シリンダー、ダンベルなど)やリング構造から、界面テンソルと応力を計算する方法を確立した。いずれも世界初の研究であり、以下主な結果を示す。(1)については、コレステリック液晶を一成分とするブレンドと、ポリビニルアルコールを一成分とするブレンドについて、可視化レオメーターを用いて構造-レオロジーの同時測定を行った。極めて長時間のずり流動により、シート構造・リング構造が出現することを見出し、その生成条件(体積比と粘度比が1付近、弾性の強い非対称性を明らかにした。また、このような大きな相分離構造が出現しても単位体積あたりの界面積の変化が小さいため、応力変化は非常に小さいことを示した。さらに、共焦点レーザースキャン顕微鏡により3次元構造観察を行い、相分離構造のサイズが境界の厚みを越えたとき、界面積を最小にしようとして界面が境界に垂直に立つことによりリング構造が生成することを明らかにした。(2)については、ポリスチレン/ポリメタクリル酸メチルなどの汎用高分子ブレンドの共連続構造について、FE-SEMによる2次元観察やX線CTによる3次元観察から、一定ずり変形下における配向角の不変性、変形の主軸方向の特性長の時間変化を得て、これらの時間変化が応力と良く対応することを示した。(3)の基本形状ついては、Doi-Ohta理論の基本式に基づいて計算した応力を、液滴1個あたりに換算した実験値と比較して良い一致を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroshi Jinnai: "Connectivity and Topology of a Phase-Separating Bicontinuous Structure in a Polymer Mixture"Journal of Chemical Physics. 119. 7554-7559 (2003)
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[Publications] Hideki Yamane: "Poly(D-Lactic Acid) as a Rheological Modifier of Poly(L-Lactic Acid) : Shear and Biaxial Extensional Flow Behavior"Journal of Rheology. 47(in press). (2004)