2003 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム産食品素材からの発ガン予防物質の分離とその活性評価
Project/Area Number |
03F00302
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山内 亮 岐阜大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LY NGOC TRAM 岐阜大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Alpinia officinarum Hance / ガランガル / 抗酸化剤 / フェニルプロパノイド / 脂質過酸化 |
Research Abstract |
ベトナムには様々な植物性食品素材が存在し、それらは食品として消費されるだけでな民間薬としても広く利用されている。そこで本研究では、ベトナム産食品素材より発がん予防活性を有する物質を得ることを目的に、まず発がん予防活性と抗酸化活性に相関性を有する点に着目して、抗酸化活性を指標としてベトナム産食品素材中から抗酸化成分を検索することとした。 試料としてベトナム産ショウガ科植物であるAlpinia officinarum Hance(ガランガル)、Amomum tsao-ko、Curcuma zedoaria Rosc.を使用した。それぞれの植物試料は、メタノールを加えて加熱還流抽出しメタノール抽出物を得た。各メタノール抽出物は、リノール酸メチルの自動酸化に対する抑制作用から抗酸化活性を評価した。その結果、得られたメタノール抽出物はいずれもリノール酸メチルの自動酸化に対して強い抑制作用を示した。そこで、まずガランガルから得た抽出物中の抗酸化物質を単離することとした。ガランガルメタノール抽出物はAmberlite XAD-2に吸着させ、水洗後メタノールで抗酸化画分を溶出させた。さらに、この溶出画分は各種クロマトグラフィーを使用して単一の成分となるまで分離操作を繰り返した。最終的にHPLCで単離した抗酸化物質は、各種機器分析や化学分析によって、それらの化学構造を詳細に解析し、数種の新規フェニルプロパノイド化合物であると決定した。Amomum tsao-koとCurcuma zedoaria Rosc.のメタノール抽出物中の抗酸化成分については、今後、化合物の分離・構造決定を進めていく予定である。
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